「脳卒中」を疑う「危険ないびき」の特徴はご存知ですか?医師が徹底解説!

「脳卒中」を疑う「危険ないびき」の特徴はご存知ですか?医師が徹底解説!

いびきが脳卒中発症のリスクを高める原因

ここでは、いびきが脳の血管の病気につながる理由について紹介します。

低酸素血症による血管へのダメージ

睡眠時無呼吸症候群のようないびきは、脳卒中の危険因子です。
実際、無呼吸症候群の人はそうでない人に比べて脳梗塞になるリスクが約3倍も高いとの研究報告があります。無呼吸状態では血中の酸素濃度が低下し、体は危機を脱するために交感神経を緊張させます。その結果、全身で炎症反応や酸化ストレス(活性酸素によるダメージ)が生じて血管の内壁が傷つき、動脈硬化が進みやすくなります。こうした動脈硬化が脳の血管で起これば脳梗塞の原因となります。

交感神経の興奮と高血圧

いびきによる無呼吸が繰り返されると、血圧が急上昇することも大きな問題です。
無呼吸から息を再開する際には血圧が急激に上がり、脆くなった血管に大きな負担をかけます。持続する高血圧は脳卒中(特に脳出血やくも膜下出血)の最大の危険因子であり、いびきによって高血圧が悪化することが脳卒中リスク上昇の一因となります。

不整脈(心房細動)の誘発

いびきは心臓にも負担をかけます。無呼吸による低酸素で心臓は激しく鼓動し、夜間に心拍や血圧が大きく乱高下します。その結果、不整脈(心房細動など)が起こりやすくなります。心房細動になると心臓内に血液の塊(血栓)ができ、それが脳に飛んで大きな脳梗塞(心原性脳塞栓症)を引き起こすことがあります。

いびきが原因で発症しやすい脳疾患

いびきを放置することでリスクが高まる具体的な脳の病気について解説します。

脳梗塞

脳の血管が詰まる病気です。いびき(特に睡眠時無呼吸症候群)がある人は、ない人に比べて脳梗塞のリスクが2〜4倍になると言われています。 前述の通り、動脈硬化によって血管が徐々に狭くなって詰まるタイプ(アテローム血栓性脳梗塞)と、心臓にできた血栓が飛んできて詰まるタイプ(心原性脳塞栓症)の両方のリスクを高めます。特に朝方の起床前後は、血圧の変動や血液の固まりやすさが変化するため発症しやすい時間帯ですが、睡眠時無呼吸症候群があると睡眠中の発症リスクも高まります。

脳出血

脳出血(脳内で血管が破れる脳卒中)やくも膜下出血(脳動脈瘤が破裂する脳卒中)も、いびきによってリスクが高まる可能性があります。脳出血やくも膜下出血の最大の原因は高血圧ですが、睡眠時無呼吸症候群の患者さんでは息が止まるたびに血圧が乱高下するため、弱くなった脳の血管がその圧力に耐えきれず破裂してしまうことがあります。

一過性脳虚血発作(TIA)

一過性脳虚血発作(TIA)は「脳梗塞の前触れ発作」とも呼ばれます。一時的に脳の血管が詰まりかけますが、短時間(数分〜24時間以内)で血流が再開し、症状が消えるものです。 「手足がしびれたがすぐに治った」「言葉が出にくかったが治った」といって放置するのは非常に危険で、「近いうちに本格的な脳梗塞が起こる」という警告と捉えてください。TIAを起こした後、適切な治療をしないと、高い確率で本物の脳梗塞を発症します。

配信元: Medical DOC

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