10月13日(月)スタートのドラマ「終幕のロンド ―もう二度と、会えないあなたに―」(毎週月曜夜10:00-10:54、カンテレ・フジテレビ系※初回は15分拡大)で主演を務める草なぎ剛。“僕シリーズ”や“戦争シリーズ”に携わったスタッフが集結する今作で、遺品整理人・鳥飼樹(とりがい・いつき)を演じる草なぎに作品への思いを聞いた。
■台本を読んだ感想は「余韻が残る作品」
樹が遺品整理を通してさまざまな事情を抱えた家族に寄り添っていく一方、中村ゆり演じる依頼人の娘・御厨真琴との切ない大人の恋も描かれる。台本を読んだ感想について草なぎは「カンテレさんのドラマは、戦争や復讐をテーマにした力強い作品への出演が多かったんですけど、今回は対照的。新しい大人のドラマになるのかなと思いました。台本を読んだときは、じんわり温もりが広がって、余韻が残る作品になると感じました。撮影現場では毎日ドキドキしながら、これまでにない感覚を楽しんでいます」と明かした。
主人公・鳥飼樹の人物像について「正直、自分自身とは全く違う人物で、よく分からない部分が多いんです。だけど、すごく余白がある役に感じていて、ゆりさんとお芝居をする中で生まれるリアルな気持ちを乗せていけば、より魅力的になるのかなと感じています。樹はおせっかいで、自分の仕事以外にも首を突っ込んでいくところがあると思います」と説明。
■生と死について考えさせられる物語に「死は100％」
“遺品整理人”という職業については「遺品整理は誰にでも必ず訪れることなのに、普段あまり意識していないことですよね。台本を通して日常の中に隠れた人間ドラマを感じました。実際に遺品整理の方に現場へ来ていただき、所作やお客様対応などとても細かく教えていただきました。脚本もリアルを追求していて、そのおかげで丁寧に役作りができています」と明かした。
生と死について考えさせられる物語が紡がれ、草なぎ自身も死について常に考えているという。「僕がこの先長く生きていくのであれば、もっと深まっていくと思うんです。死って突然訪れるものですし、誰にでも100％訪れます。世の中に“必ず”ってなかなか無いと思うんですけど、死は100％。そう意識するだけで、日々の行動が変わってくると思います」と思いを口にする。
中村ゆりとの共演については「初めて本格的にご一緒しますが、とてもキュートで美しい方。ゆりさんのワンショットになると現場で監督より前に『カット』と言ってしまうくらい、勝手に監督気分になっています(笑)」とニッコリ。
■自分自身が“遺す”ものは「作品」
タイトル「終幕のロンド」の印象を問われると、「最初は『週末のロンドン』と勘違いしていて、プロデューサーにツッコまれました(笑)。でも耳慣れない言葉だからこそ印象的でセンスがありますよね。終わりは始まりでもあるから。エンターテインメントに例えると、舞台で幕が下りた瞬間に次の公演が待っている。終幕は次の始まりという感覚とも重なって、ロンドには“繰り返し”の意味もあるから、自分の終幕を見つけることから新しい人生が始まる…そう思うと、すごくいいタイトルだなって改めて感じます」と理解を深めた様子。
もし自分が“遺す”としたら何か、という問いには、「やっぱり作品ですね。ドラマなどは命を懸けて作っていますし、自分のDNAが刻まれている。終幕を迎えても作品は残り続けるし、100年後に観てもらえる可能性もありますし、遺せていると思います」と語った。
最後に「遺品を通じて、人間ドラマが描かれて真実が解き明かされる瞬間は本当に感動的です。そこにゆりさん演じる真琴との大人のラブストーリーも重なって、温かく、余韻の残る作品になっていると思います。視聴者の皆さんが“新しい明日を踏み出そう”と思えるドラマにしたいです」とメッセージを寄せた。
※草なぎ剛のなぎは、「弓へんに前の旧字体その下に刀」が正式表記
