
9月5日よりFODにて国内独占配信されている韓国ドラマ「マイ・ユース(My Youth)」(毎週金曜日に最新話を2話ずつ追加。全12話)。温かくもせつない初恋ロマンスに胸キュンして、ハマっている視聴者が急増中だ。15年ぶりの再会をして新たな関係を築いていく、高校時代に初恋の相手同士だった男女を演じるソン・ジュンギとチョン・ウヒに、お互いの印象や役柄について尋ねてみた。
■初恋同士の2人の恋が15年ぶりに動き出すロマンチックストーリー
本作の主人公は、かつて有名な子役だったが、ある出来事をきっかけに芸能界を去り、現在はフラワーショップで働くソンウ・ヘ(ソン・ジュンギ)。そんな彼を、高校時代の同級生である初恋の相手、ソン・ジェヨン(チョン・ウヒ)が15年ぶりに訪ねてくる。それぞれ異なる世界で人生を歩む中で、お互いの立場の違いに戸惑い葛藤しながらも、過去の記憶と向き合い、新たな愛を築いていく姿を描くロマンチックストーリーだ。
■普段から最高のコンビネーション
インタビュー当日は、朝から何社もの取材があったにもかかわらず、ソン・ジュンギもチョン・ウヒも全く疲れを見せず、元気いっぱい。撮影中もお互いに「カワイイー!」「カッコイイ!」と日本語で声援を送り、最高のコンビネーション。非常になごやかな雰囲気でインタビューが進行した。
――「マイ・ユース」はグッとくるシーンの連続で、もう夢中で見ています!日本の視聴者も、このロマンスストーリーは絶対気に入ると思います。
チョン・ウヒ わぁ、本当ですか?
ソン・ジュンギ そうなれば嬉しいですね。
――まず、それぞれ役柄に共感する部分を教えてください。
チョン・ウヒ ソン・ジェヨンは、芸能事務所で働いていて、マネージャーのチーム長なのですが、仕事に対してとても徹底していて、自分が担当した仕事にはすごく推進力があるんです。そして、公私をしっかり区別できる人物で、実際の私もそうだと思います。また、困難や逆境がある度に、それにくじけず乗り越えようとする前向きなところも、少し似てるなと思いました。
――ジェヨンは、「何事も、やればできる!」って思ってる人ですよね。
チョン・ウヒ (日本語で)ハイ!
ソン・ジュンギ ソンウ・ヘは、幼い頃に子役としてとても有名なってしまったせいで、その年齢では決して経験すべきではない痛みや大人に裏切られるつらさ、幼い年齢ではありえない欠乏感を、あまりにも多く抱えて生きてきた子なんです。僕は、そんな過酷な幼少期を送っていないので、正直、理解できなくて…。
でも共感する為に、近い経験を想像してみました。僕も、大人になってからですが有名になりました。それは本当にありがたいことですが、有名になるにつれて、どこにも話せない、1人で耐えなければならない、自分だけのストレスや悩みが生まれます。それは僕だけじゃなくて、有名人には必ずあることだと思いますが…。そんな部分を当てはめて考えながら、彼の苦しみを少しでも理解しようと努力しました。

■「ジュンギさんに初めて会った時、漫画から出てきたのかと」
――お2人は、今回が初共演ですよね。これまでお互いにどんな印象をお持ちでしたか? また、実際に共演してみて印象が変わったりしましたか?
ソン・ジュンギ (チョン・ウヒに)どうでしたか!?
チョン・ウヒ (笑)。ジュンギさんは、すごくカッコいいし、トップスターじゃないですか。それに、マッチョ系というか男らしい役を多く演じてきたのを拝見してたので、「“ソン・ジュンギ”という俳優は、共演したらどんな感じなんだろう…」と思ってたんです。
で、初めてテスト撮影で会った時に、オッパ(“お兄さん”の意味。女性が年上の男性に親しみを込めて使う呼称)が役柄の扮装で立ってて、本当に漫画から飛び出してきたみたいだったんです!それで、思わず「オッパ!本当にカッコいいですね!!」って言っちゃいました。そして、私がこれまでオッパが演じてきた役柄からイメージしてたよりも、もっと優しい方でした。
ソン・ジュンギ 僕も、個性が強くて濃いキャラを演じているウヒさんをたくさん見てたので、そのイメージが強かったんです。でも、「恋愛体質~30歳になれば大丈夫」というドラマを見た時、すごくラブリーな一面を持ってる方なんだな、と思いました。そして、実際に会ったら、もっとラブリーでした。今回の「マイ・ユース」をご覧になれば、僕が言ってることがスグにわかると思います。


■「ウヒさんは、今までで一番活発にコミュニケーションできたパートナー」
――今回、撮影中に脚本や役柄についてたくさん話し合ったそうですが、具体的にどんなことを?
ソン・ジュンギ 簡単に絞ってお伝え出来ないぐらい、細かいことから重要なことまで、本当にたくさん話し合いましたね。
チョン・ウヒ 予想以上にヘとジェヨンのティキタカ(軽快なやり取り)が多かったんですよ。だからまず、そんなティキタカが自然に感じられて、視聴者の方々に面白く好感を持って観ていただけるかについて話し合いました。
――お2人のティキタカ、どのシーンもすごく面白かったです!
ソン・ジュンギ ウヒさんは、話をよく聞いてくれて、自分が持っているアイデアや考えをうまく伝えてくれるので、意見を共有しやすかったです。そして、僕たち2人が共感できるポイントを見つけたら、監督や作家さん、スタッフにそれを伝えて…。僕の経験上、ウヒさんは、これまでで一番コミュニケーションが活発にできて、それが作品に反映されることが多かったパートナーです。
■高校生の制服は、もう着られない…!?
――今回、学生時代もすごく丁寧に書かれてますよね。お2人の学生時代を演じたナム・ダルムさんとチョン・ソヨンさんが作った雰囲気などを、大人パートでご自身が演じる際に意識されましたか?
チョン・ウヒ 2人には実際会う機会は無かったんですが、彼らが作り出した雰囲気に合わせる必要は無いと思ったし、彼らも私たちの演技に影響を受けたりはしなかったと思います。
ソン・ジュンギ 僕もそうですね。むしろ影響を受けてはいけないと思って、彼らの撮影現場に敢えて行きませんでした。第2話で学生時代のパートが多く描かれますが、情緒はちょっと感じてみようかな、と後から少し観てみたけど、雰囲気を合わせようという考えはありませんでしたね。
チョン・ウヒ 監督が完璧にキャスティングしてくださったので、学生から大人になっても自然に溶け込んで、全く抵抗感や違和感が無いと思います。私も後で彼らのパートを観た時に「あぁ、ジェヨンとヘだなぁ」と、スグに納得できました。
ソン・ジュンギ 実は、元々は僕たちが学生時代から演じることになってたんですよ。でも、僕が作家さんや監督に「俳優を分けましょう」と提案しました。子役が演じる爽やかな雰囲気と、大人になってからを演じる僕たちの雰囲気が違っても、それぞれの色合いでコントラストが生まれると確信していたので。それに、僕が制服を着るのがあまりにも恥ずかしかったというものあったし(笑)。制服姿の僕が出てきたら、視聴者の没入感を妨げますから(苦笑)。
――えーっ!?高校生役、全然まだできますよ!
ソン・ジュンギ いやいや、絶対ムリです!皆さんが集中できなくなります!!

■ロマンス作品の演技は難しい
――今回、お2人が演じるのは非常に現実的な人物ですよね。お2人は、ジャンル物やファンタジーなど、非現実的な役柄も多く演じてこられましたが、どっちが演じやすいですか?
ソン・ジュンギ どんな役柄も、演じるのは難しいです。でも例えば、アクション作品を撮る場合、俳優の準備期間も必要だし、機材も増えたり撮影時間も長くなったりするので、そういう点では「マイ・ユース」のような日常のお話の方が少しラクかもしれないですね。
チョン・ウヒ 私も、演技に簡単な部分は1つも無いと思いますが、ジャンル的な特性を活かす作品も日常モノも、それぞれに味わいがありますね。
ソン・ジュンギ でも日常モノの演技も決して簡単ではないね、って2人でよく話してました。「マイ・ユース」のようなロマンス物は、俳優が埋めるべき部分が多いジャンルだと思っています。僕はメロであればあるほど、相手役同士のケミや実際の俳優同士の相性が良くなければならない、と強く信じているので、先ほどお話ししたように、ウヒさんとのコミュニケーションが非常に重要でした。
チョン・ウヒ ジュンギさんがお話したことに補足すると、ロマンス物は微妙な感情表現が本当に重要なんです。だから、その微妙な部分を活かす為によく話し合うことが必要で、事前にシーンや情緒についての共有をしておかなければいけないのですが、私たちがいくら上手くその微妙な感情線を表現できたとしても、画面から伝わらなければ意味が無い…。私たち俳優のプランと監督・スタッフが上手く噛み合わなければ良いモノが生まれないんです。なので、今回の作品も簡単ではなかったけど、それでもとても楽しくて、充分な魅力を感じながら撮影しました。
――このインタビューが掲載されるタイミングでは第6話まで配信されてるんですが、第7話の予告で非常に気になるセリフと描写があって、早く続きを見たいんですよ!
チョン・ウヒ わぁ、それは次回が一番気になるタイミングですね。フフフフフ。
ソン・ジュンギ どうなるかと言うと…(笑)。
――ダメです!言わないでください!!
ソン・ジュンギ (笑)。ゼヒご覧になって確かめてみてください。
◆取材・文=鳥居美保/撮影=玉井美世子


