Q.高血圧の予防・改善のために、日常生活でできる対策にはどのようなものがありますか
生活習慣の見直しは、高血圧の予防・改善の土台です。さまざまな対策がありますが、一度に全て行うのは難しいため、効果が高いものから以下の順番で取り組んでみてください。これらは高血圧の予防としても効果があります。・減塩:
日本人は塩分摂取が多いため、まずは塩分の量を見直すと効果が出やすいです。「麺類の汁を残す」「醤油やドレッシングはかけず小皿につけて食べる」ことから始め、1日6g未満を目指しましょう。料理を作る際に塩分を極力減らし、どうしても味が薄いと思ったら小皿のしょうゆや塩を「少し」つけて食べるのが近道です。
・体重管理・飲酒量の調整:
体重が標準より多い方は、標準体重に近づけることで血圧がかなり下がります。BMI 25未満を目標に、少しずつ体重を落としましょう。飲酒量の調整も体重管理につながります。
・有酸素運動:
週に合計150分程度、ウォーキングなどの有酸素運動をしましょう。急に激しく行うのではなく、少し息が弾む程度を長く続けるのが大切です。
・睡眠・ストレス管理:
睡眠不足や慢性的なストレスも血圧を上げます。寝る前のスマホを控え、リラックスできる習慣(入浴・ストレッチなど)を日課にしましょう。これらを続けると、長期的に薬と同じくらいの効果を期待できることがあります。
・節酒・禁煙:
アルコールは適量に留めましょう。タバコは血管を収縮させるため、禁煙をお勧めします。
血圧の管理は、大きな病気を防ぐための「先行投資」です。今から少しずつ血圧を整えておくことで、将来の脳・心臓・腎臓のトラブルを減らせます。
まずはご自宅で血圧を測る習慣から始めてみてください。もし基準値を超えていたら、医師に相談してくださいね。
教えてくれたのは・・・林裕章(はやし・ひろあき)林外科・内科クリニック理事長
国立佐賀医科大学を卒業後、大学病院や急性期病院で救急や外科医としての診療経験を積んだのち2007年に父の経営する有床診療所を継ぐ。現在、外科医の父と放射線科医の妻と、その人その人に合った「人」を診るクリニックとして有床診療所および老人ホームを運営。科学的根拠だけでは語れない、人間の心理に寄り添う医療を実践している。また、福岡県保険医協会会長として、国民が安心して医療を受けられるよう、医療者・国民ともにより良い社会の実現を目指し、情報収集・発信に努めている。
取材/文:山名美穂
編集:サンキュ!編集部
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