子宮がん検診ってなにするの? 症状がなくても20歳以上は定期的に受ける理由【医師解説】

子宮がん検診ってなにするの? 症状がなくても20歳以上は定期的に受ける理由【医師解説】

子宮がん検診を受けたあと、結果の見方がよく分からず、不安になったことはありませんか? 結果にはいくつかのパターンがありますが、それぞれの意味を正しく理解することが大切です。そこで子宮がん検診についてショコラウィメンズクリニックの木崎先生に解説してもらいました。

木崎 尚子

監修医師:
木崎 尚子(ショコラウィメンズクリニック)

東京女子医科大学卒業。川崎市立井田病院・川崎病院で初期研修。東京女子医科大学病院産婦人科、国際親善総合病院産婦人科、湘南藤沢徳洲会病院産婦人科、茅ヶ崎徳洲会病院産婦人科などを経て、2021年10月、横浜市都筑区にショコラウィメンズクリニックを開院。古くから薬能があるとされ、また、人を癒やしたりリラックスしたりする効果があるとされるチョコレートのように、ほっとできる空間を提供したいとの思いから、「ショコラウィメンズクリニック」と命名。

編集部

子宮がん検診とは何ですか?

木崎先生

国が定める指針に基づいた子宮がん検診は、主に子宮頸がんの検診を指します。問診や視診・内診、細胞診などで子宮頸がんの有無や、その前段階の「異形成」と呼ばれる状態がないかを検査します。

編集部

子宮体がんについてはどうですか?

木崎先生

子宮頸がん検診と違い、定期的な検査が推奨されているわけではありません。茶色いおりものを含む不正出血などが閉経後に起こる場合や、閉経前でも不正出血が繰り返し出現するなど気になる症状がある場合は、医師に相談して適切な検査を受けましょう。

編集部

子宮体がんはどのように検査するのですか?

木崎先生

問診などで子宮体がんの疑いがあるとされた場合は、子宮内膜の病理検査を行います。病理検査では主に、子宮内膜を軽くこすって細胞を少し採取する「細胞診」と、エコー検査を行います。疑わしい所見が出たら、確定診断をするため、細いスプーンのような器具で子宮内膜から細胞のかたまりを掻き取り、顕微鏡でさらに詳しく調べる「組織診」を行います。子宮体がん検査は細胞診・組織診にかかわらず、痛みが強く出る可能性が高い検査になります。検査方法が子宮の中に細い器具をいれて採取するため、医師の技術というよりも、そもそも痛みが出やすい検査となるのです。

編集部

子宮頸がんの検診は、気になる症状がなくても受けた方が良いのですか?

木崎先生

はい。症状の有無に関わらず、子宮頸がん検診は受けてください。一般的には20歳以上の女性は2年に1回の受診が推奨されていますが、個人的には毎年の受診をお勧めしています。また、前回の検査結果でリスクが高いと判断された方などは、医師の判断で検査の頻度が異なる場合があります。

編集部

そうなのですね。

木崎先生

はい。しかし子宮頸がん検診は、現在移行期にあります。2025年1月の神奈川県横浜市を皮切りに、30〜60歳の方は今後、HPVのみの単独検診となっていきます。こちらが陰性であれば、その後5年は検診の対象となりません。30歳未満と61歳以上の方の検診はこれまで通りです。

編集部

その変更について、もう少し詳しく教えてもらえますか?

木崎先生

5年に1回という検診間隔のため、逆に検診を受けることを忘れてしまったり、子宮がん検診を軽視する風潮がでたりするのではないかという心配がされています。HPV検査単独法への期待と懸念点は以下の通りです。
(期待)

検診頻度が減り、5年に1度の検診で済む可能性があるため、受診率の向上が期待される(厚生労働省の見解)

実施する自治体からすると、子宮頸がんの浸潤がん(進行したがん)を減らす効果は変わらず、細胞診よりコストがかからない

(懸念)

検診頻度が減ることで、子宮頸がんや婦人科受診への関心が低下する可能性がある

ほかの婦人科疾患に関する相談や検査の機会が減少し、ほかの婦人科の病気の発見が遅れたり、妊娠の相談などが遅れたりしてしまう可能性がある

なお、HPV検査と細胞診は、どちらも「がん検診」となっていますが、検査の目的が異なります。HPV検査は「がんや異形成を引き起こす原因のウイルスがいないかどうか」を検査しますが、細胞診は「細胞の変化そのものがあるかどうか」を検査します。確実に現時点で細胞に変化がないかを診るのは、「細胞診」となります。

編集部

なるほど。そのような違いがあるのですね。

木崎先生

HPVワクチン接種がかなり普及している海外では、HPV単独検診はかなり有用です。我が国はまだワクチン接種率が低いのが現状ですし、少子化が加速している現状においては、「死亡率の減少」だけでなく、「早期発見」による妊よう性温存が急務である中で、HPV単独検診にシフトするのは産婦人科医の中でも意見が分かれております。ただ、国の検診事業としては「HPV単独検診」に移行していく流れとなっております。

※この記事はメディカルドックにて<子宮がん検診の結果の見方を知っていますか? 「NILM」「ASC-US」とは?【医師解説】>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。

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配信元: Medical DOC

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