外傷性頸部症候群の治療
外傷性頸部症候群の治療では発症からの期間によって治療方針を検討しますが、安静期間はできるだけ短くすることが望ましいと考えられています。発症から1週間程度(急性期)は安静が有効と考えられていて、痛みの程度によって頚椎カラー(首のコルセット)と痛み止めを併用します。
発症1週間〜3週間(亜急性期)の時期には急性期の治療を継続しつつ、徐々に運動量を増やしていくようにしましょう。特に頚椎カラーは長期間使い続けると症状が悪化する恐れがあり注意が必要です。
首の痛みや手の痺れなどの神経症状がある場合には、症状の緩和のためにステロイドの注射も検討されます。
3週間〜3ヶ月以降(慢性期)の時期で外傷性頸部症候群の症状に改善の傾向がみられる場合には、そのまま自然治癒を促します。しかしこの時期にまだ症状が続いている場合、心療内科領域の治療も検討します。
通常3ヶ月もすれば捻挫は治癒していくものですが、ストレスによる二次性バレー・リュー症候群などに移行している可能性があるためです。このようなケースでは抗不安薬といったストレス緩和につながる薬の服用が検討されます。
なお、むちうちと聞いて整体でのマッサージや鍼灸・電気治療の治療を思い浮かべる人もいるかもしれませんが、外傷性頸部症候群においてこれらの治療の効果に科学的根拠は示されていません。
その一方、運動によって活動性を高める治療には効果が認められています。そのため、受け身の治療だけでなく無理のない範囲で動き、安静期間を短くすることが大切です。
外傷性頸部症候群になりやすい人・予防の方法
外傷性頸部症候群は外力による外傷であるため、首の筋力が弱い人は首を支える力が弱く損傷の程度が大きくなる可能性があります。また、運転を多くする人や、激しいスポーツをする人、またバランス感覚が低下した高齢者などは、事故や転倒で外力を受ける機会が多くなり、外傷性頸部症候群を発症しやすいといえるでしょう。
外傷性頸部症候群を予防するためには首の筋肉を強くし、首を強化することが大切です。
関連する病気
バレー・リュー症候群
椎骨脳低動脈循環不全
低髄液圧症候群参考文献
日本整形外科学会 外傷性頸部症候群
山下敏彦 et al 外傷性頚部症候群 -病態と治療指針- 北海道整形外科外傷研究会会誌 vol.22 2006
慶應義塾大学病院 頚部・肩の痛み

