12月13日が「正月事始め」の理由
昔は大掃除が12月13日に行われ、その日は「正月事始め」といわれていました。
旧暦の12月13日は「鬼宿日(きしゅくにち)」という、婚礼以外は何をするにも吉とされる日だったのです。
暦の上で縁起が良い日だったから、年神様を迎える準備を始めるのにふさわしいと考えられていたのですね。
また、年末ギリギリに掃除をするのは避けられていました。
12月29日は「二重苦」に通じるとして縁起が悪く、31日は「一夜飾り」といって神様に失礼だとされていたのです。
現代では、12月13日から大掃除を始める家庭は少ないかもしれません。
でも、「年末ギリギリはバタバタするから早めに始めよう」という気持ちは、昔も今も同じなのかもしれませんね。
「煤払い」は江戸っ子の楽しみだった
江戸時代の煤払いは、今の大掃除よりもっと賑やかな行事だったようです。
煤払いの日には、家族総出で掃除をするだけでなく、ご近所さんも手伝いに来ました。
高い天井の煤を落とすには、長い竹竿が必要。
それを振り回すのは力仕事だったので、男性たちの出番でした。
掃除が終わったら、みんなで餅や酒を楽しむのが習わし。
1年の締めくくりとして、ご近所さんと労をねぎらい合う、楽しいイベントでもあったようです。
「今年もお疲れさまでした」「来年もよろしくお願いします」と、顔を合わせる良い機会だったんでしょうね。

