梅毒は性感染症として知られていますが、症状は性器に限らず、身体のさまざまな部位に現れることがあります。そのなかでも手の甲に発疹が出ることがあり、ほかの皮膚疾患と見分けがつきにくいため注意が必要です。本記事では、手の甲にできた発疹と梅毒の見分け方の関係などをわかりやすく解説します。
※この記事はメディカルドックにて『「梅毒」を発症すると「手の甲」にどんな症状が現れるかご存知ですか?【医師監修】』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
居倉 宏樹(医師)
は呼吸器内科、アレルギー、感染症、一般内科。日本呼吸器学会 呼吸器専門医、日本内科学会認定内科医、日本内科学会 総合内科専門医・指導医、肺がんCT検診認定医師。
手の甲の発疹が梅毒かどうかをチェックする方法

手の甲にできた発疹が梅毒かどうかを自分で確認する方法を教えてください
梅毒かどうかを自分で判断するのは難しいですが、いくつかのポイントをチェックすることで疑いを持つきっかけになります。例えば、手の甲の発疹に加えて、からだのほかの部位にも同様な発疹がある、発疹にかゆみがない、過去3ヶ月以内に感染リスクのある性行為があった、陰部に痛みのないしこりや潰瘍が出現した経験がある(硬性下疳)などの特徴があれば、梅毒の可能性があります。いずれかに該当する場合は、なるべく早めに医療機関での検査を受けることをおすすめします。
梅毒のほかにどのような症状がありますか?
梅毒は進行段階によって症状が変化する病気です。初期には性器や口唇部などに痛みのないしこりや潰瘍(硬性下疳)が生じ、やがて自然に治癒します。第2期では発疹、リンパ節腫脹、発熱、喉の痛み、全身倦怠感、脱毛などがみられます。その後、症状が消えても菌が体内に潜伏し、数年後に心血管系や中枢神経系に障害を及ぼす第3期梅毒へと進行することがあります。進行してしまうと治療が難しくなるため、早期に気付くことが重要です。
梅毒が疑われるときの診療科目を教えてください
梅毒が疑われる場合は、まず内科や皮膚科を受診するのが一般的です。梅毒は皮膚や粘膜に特徴的な症状が現れることが多く、皮膚科ではそれらの所見から診断の手がかりを得やすいためです。加えて、感染経路の特性から、泌尿器科(男性)や婦人科(女性)でも診察・検査を受けることができます。近年では性感染症に特化した外来を設けている医療機関もあり、より専門的な診療や相談を受けたい場合にはそうした窓口を利用するのもよいでしょう。気になる症状があるときは、早めに受診することが大切です。
梅毒の検査結果は何日でわかりますか?
梅毒の検査には、感染の有無を確認する定性検査と、抗体の量を測定して活動性や治療効果を評価する定量検査があります。これらの血液検査は、通常は採血から数日から1週間ほどで結果が出ます。感染の可能性がある行為から数週間が経過していれば、たとえ症状がなくても検査で確認できることがあります。不安を感じたときは、ためらわずに検査を受けることが、早期発見につながります。
編集部まとめ

手の甲に現れる発疹は、梅毒を含めさまざまな皮膚疾患の可能性があります。特にかゆみがなく赤褐色で斑点状の発疹が、手の甲以外にも手のひらや足の裏に見られる場合は、梅毒の可能性を考える必要があります。自分での判断には限界があるため、少しでも不安を感じたら早めに医療機関を受診することが大切です。梅毒は適切な治療によって完治が可能な病気ですので、自己判断で放置せず、正しい知識と行動で健康を守りましょう。
参考文献
日本感染症学会ホームページ梅毒診療考え方令和6年3月
日本性感染症学会ホームページ梅毒診療ガイド(第2版)
国立健康危機管理研究機構感染症情報提供サイト梅毒治療の現状について

