12歳の男児に下半身の写真を撮影させ、SNSで送信するよう求めたとして、映像送信要求罪などに問われた30代の男性に対し、大阪地裁は12月18日、拘禁刑8カ月(求刑:1年)の実刑判決を言い渡した。
被告人は過去にも類似の行為により、2度捜査を受けており、今回の事件は保護観察付きの執行猶予期間中に起こした犯行だった。
数ある犯罪の中でも、性犯罪はとりわけ社会的非難が強く、再犯率が高いとされる。一方で、いずれ社会復帰することになる被告人にとって、矯正や更生の支援は不可欠であるものの、現実には多くの困難を伴う。
公判では、当事者なりに「改善」を試みながらも、犯罪から完全に脱却できない葛藤が浮かび上がった。(裁判ライター・普通)
●プロフィール欄に「小中学生求む」
被告人は、ふくよかな体型で短髪を整えていた。質問に対しては、ハキハキと答える様子が印象に残った。
起訴状などによると、被告人は見知らぬ人とチャットができるサービスを通じ、12歳の男児に対して「(下半身を)見たい」などと要求。
下腹部を露出した写真を撮影させ、送信させたとされる。被告人は起訴事実を認めた。
検察官の冒頭陳述などによると、被告人は専門学校卒業後、塾講師、放課後デイサービス職員、家庭教師などを経て、事件当時は無職だった。
20代前半から男性に性的関心を抱くようになり、その中でも10〜16歳の少年を性的対象と見るようになったという。
家庭教師として働いていた時期には、11歳の男児に対する不同意わいせつ罪で、保護観察付き執行猶予判決を受けている。
その後、性犯罪の治療入院を経て、自立訓練施設への入所が予定されていたが、施設の規則に納得できず、入所しなかった。
今回の犯行に使われたチャットサービスのプロフィール欄には、年齢を「18歳」と記載し、その他の項目に「小中学生求む」などと書いていた。
●「改善」しても犯罪から脱却できない苦悩
弁護人による被告人質問では、治療入院中に依存症治療の一つである「条件反射制御法」を受けていたことが明らかにされた。
弁護人や被告人の言葉を借りれば、問題となる行動を引き起こす疑似的な環境を設定し、そこで衝動を抑える訓練を重ねることで、問題行動に至らない認知の傾向を身につけるという。
被告人は、この治療によって、衝動的な行動に移る前に「一息置ける感覚」が身についたと述べた。
また、被告人が精神障害者手帳2級を所持していることも明らかにされた。弁護人が慎重に言葉を選びながら、次のように問いかけた。
弁護人:精神特性がある中で、治療により突発的な犯行は抑えられたかもだが、性的嗜好が根本から変わるものでもないですよね?
被告人:性欲自体を根こそぎ変えるなどには至りませんでした。
弁護人:自分の行動というのをどう捉えているのでしょう。
被告人:治療で効果を感じていたのですが、それを過信してしまい、やることやってるからいいだろうという気に。
被告人にとって、最初の犯行は身体に直接触れる行為だった。次は衣服の上から、そして今回は写真の送信要求──。弁護人の指摘どおり、被害者が存在する以上、「それでもダメ」行為であることは明らかだ。
ただ、被告人自身は「線引き」を設け、少しずつ改善の努力を示しているという主張だ。
そのほかにも、クリニックへの通院や、自助グループのミーティングへの参加、生活支援員への相談などを続けていたという。そうした取り組みの最中に起きたのが、今回の犯行だった。
今後については、被告人は、性欲そのものを完全になくすことはできないことを前提に「せめて自分からは関わりに行かない」と決意を口にした。

