12歳男児に「下半身の写真」を要求した30代被告 性依存症治療も空しく、断ち切れなかった再犯

12歳男児に「下半身の写真」を要求した30代被告 性依存症治療も空しく、断ち切れなかった再犯

●「あなた、そんなこと言える立場なんですか?」

検察官からの追及では、チャットサービスを使い、画像を送信させる行為を4〜5年前からおこなっていたことが明らかにされた。

最初の事件後、子どもに関わらないように意識してしたものの、「直接触れていない」「チャットであればいいか」と自らを正当化してしまったと供述する。

受け答えはハキハキとし、自身の問題に向き合おうとする姿勢も感じられる一方、精神的特性の影響か、自ら定めた線引きに強く固執し、「0か100か」で考える傾向もうかがえた。

検察官:これまでの被害男児は10〜15歳です。一般的に歪んでいると言われているのはわかりますか?
被告人:はい。

検察官:​​事件によっての相手への影響は考えていますか?
被告人:心の傷を負わせてしまい、トラウマにもなると思います。ただ、それを起こさせないために、事前にどう認識すべきかの考えには至っていません。

ここでも「至っていません」と語り、自身の思考に線を引いた。

最後に裁判官が問いかけた。

裁判官:退院した後、自立訓練施設に行かなかったのはなぜ?
被告人:そこの規則が自分にとって必要なものなのか疑問に思ってしまって。

裁判官:あなた、そんなこと言える立場なんですか?

厳しい口調に、法廷の空気が一瞬張りつめた。しかし、自身の考えに強く固執する被告人に対しては、このように正面から指摘する関わり方も必要なのではないか──。そんな印象を残す場面だった。

●児童の健全な成長を妨げた犯行

検察官は、児童の判断能力の未熟さにつけ込み、画像がインターネット上に拡散する恐れもあったとして、犯行を厳しく非難。社会復帰後も、適切な更生環境が整っているとは言えないなどとして、拘禁刑1年を求刑した。

これに対して弁護人は、性的嗜好そのものを変えることは難しいが、被告人が問題を認識していることや、前科はあるものの行為態様を変化させている点、再犯防止プログラムを熱心に受講して社会に適応しようと努力してきた点を考慮してほしいと情状をうったえた。

判決は拘禁刑8カ月であった。裁判所は、前刑の執行猶予判決からわずか9カ月後の犯行であることを重く受け止め、児童の健全な成長を妨げた程度は、被告人の精神的特性を踏まえても軽視できないと厳しく指摘した。

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