急性声門下喉頭炎の前兆や初期症状について
急性声門下喉頭炎は徐々に症状が進行していくのが特徴です。最初は一般的な風邪のような症状から始まり、次第に特徴的な症状があらわれ、特に夜間に悪化する傾向があります。
風邪のような症状
最初は発熱、鼻水、のどの痛みなど、一般的な風邪と同じような症状が生じます。他の症状がなく、風邪のような症状だけであれば通常の上気道炎との鑑別が難しく、様子を見ることが多いです。
犬吠様咳嗽
症状が進行すると、犬が吠えるような、あるいはオットセイが泣くような特徴的な硬質な音の咳(犬吠様咳嗽)が出現します。この特徴的な咳は、腫れて狭くなった声門下部を空気が激しく呼出する際に発生する音です。
喘鳴と嗄声
息を吸う際に「ゼーゼー」「ヒューヒュー」という笛のような音(喘鳴)が聞こえるようになります。狭くなった気道を空気が通るために起こります。また、声が低くなり、かすれる症状(嗄声)もあらわれます。症状が進行すると、呼吸が苦しそうに見え、息を吸う時にのどの下がくぼむような様子が見られることもあります。
夜間の急激な悪化
多くの場合、夜間に症状が急激に悪化します。夕方まで元気に過ごしていても、夜中に突然呼吸困難が生じることがあります。
急性声門下喉頭炎の検査・診断
子どもをあまり泣かせると呼吸の苦しさが増すことが多いので、検査よりも、それまでの経過や診察で診断されることが多くあります。ただし、他の似た症状を示す病気を鑑別するためにレントゲン検査などが検査されることがあります。
バイタルサインのチェック
重症度を判断するため、バイタルサインを確認します。呼吸数、脈拍、体温の測定に加え、パルスオキシメーターを使って血液中の酸素飽和度を測定します。
酸素飽和度が低下している場合は重症のサインとなります。また、呼吸の様子も観察し、急性声門下喉頭炎に特徴的な陥没呼吸や呼吸困難の程度を確認します。
胸部X線検査
画像検査が行われる場合は、喉頭のX線検査を正面と横から撮影し、声門下部の狭窄の程度を確認します。特徴的な所見として「steeple sign(声門下の狭窄)」が見られ、声門下部が腫れて狭くなっている状態を示しています。
他疾患との鑑別
急性喉頭蓋炎、気道異物、細菌性(気管炎)など、似たような症状を示す病気との鑑別を慎重に行います。なかでも、急性喉頭蓋炎や気道異物は生命に関わる緊急性の高い病気のため、確実な鑑別が重要です。

