扁桃周囲膿瘍とは扁桃炎が重症化した病気で、扁桃の周囲が細菌感染し、膿が溜まってしまう病気です。
内服薬で治療できることが多い扁桃炎とは違い、この病気は入院して膿を摘出し、抗菌薬を点滴しながら治療するケースが多いです。
38度を超える高熱や左右差のある激しいのどの痛みが特徴で、のどの痛みを感じてから半日~1日で症状が悪化します。また重症化すると命の危険に繋がるおそれがあるとされる病気です。
今回は扁桃周囲膿瘍の症状を紹介します。
※この記事はメディカルドックにて『「扁桃周囲膿瘍」を発症すると現れる症状はご存知ですか?医師が監修!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
郷 正憲(徳島赤十字病院)
徳島赤十字病院勤務。著書は「看護師と研修医のための全身管理の本」。日本麻酔科学会専門医、日本救急医学会ICLSコースディレクター、JB-POT。
扁桃周囲膿瘍とはどんな病気?

扁桃周囲膿瘍とは何ですか?
扁桃周囲膿瘍とは、扁桃炎が重症化し、扁桃の周りに膿が溜まってしまう状態を指します。一般的に扁桃腺と呼ばれている部位は、舌のつけ根の両サイドにあるこぶのようなものです。この部位では、口から入ってくる細菌やウイルスの侵入を阻止する役割があります。この部位についたウイルスや細菌が増殖し、炎症を起こした状態が扁桃炎です。
そして扁桃炎がこじれ、扁桃腺の周囲にまで炎症が広がると、扁桃周囲炎、扁桃周囲膿瘍にまで悪化します。扁桃周囲膿瘍はのどの痛みを感じてから急激に悪化することが特徴で、膿をしっかり取り除いて治療するため、入院することも多い病気です。
扁桃周囲膿瘍にみられる症状を教えてください。
この病気の主な症状は以下の通りです。38度以上の高熱
左右差のあるのどの激しい痛み
ものを飲み込む時に感じる激しい痛み
全身の倦怠感
口臭、よだれ
また、のど全体の粘膜が腫れることによって呼吸困難感を生じたり、炎症がのどの筋肉にまで及ぶと口の開きにくさを感じたりします。通常のどの痛みから始まり、半日~1日で急激に悪化する病気です。
扁桃周囲膿瘍を発症する原因とは何でしょう?
この病気の前段階として、レンザ球菌やブドウ球菌などの細菌が扁桃腺に付着して炎症を起こし、扁桃腺を発症します。炎症が扁桃線の周りまで及んで細菌が増殖し膿が溜まり、膿瘍を形成すると扁桃周囲膿瘍となるのです。高熱やのどの痛みが出る苦しい病気ですが、さらに症状が進行してしまうと、首の深いところや胸部にまで膿が溜まってしまうこともあり、放っておくと命の危険に繋がることがあります。
扁桃周囲膿瘍は何歳くらいの方が発症することが多いですか?
この病気は20~30代に多く、発症する人のうち、男性が70%ほどを占めるといわれています。ただし高齢者にも発症するケースがあり、高齢者は治療・入院期間が長くなる傾向があるので注意が必要です。またこの病気を再発する人も多く、ある研究では扁桃周囲膿瘍の患者のうち3分の1は再発例でした。扁桃周囲膿瘍の再発は、前回の膿や炎症が完全に取り除かれないまま治療を終えてしまったことが原因の1つであると報告されています。
入院して膿を取り出しても、退院後しっかり治療を続けないと炎症が完全に抑えられず、再発の危険性が高まるのです。また、扁桃腺が大きいなどの理由で、この病気を再発しやすい人もいらっしゃいます。その場合、扁桃自体を手術で取り除くケースもあります。
編集部まとめ

扁桃周囲膿瘍は20~30代の男性に多い病気です。
扁桃炎がこじれるとこの病気になり、病院で針や切開手術で膿を出さないと完治しません。
症状としては高熱やのどの痛みを有し、入院治療で抗菌薬を点滴投与しながら治療する場合がほとんどです。
また再発することも多く、再発を防ぐためには、通院、服薬を途中で止めずしっかりと最後まで治療を終えることが必要です。
もしのどの腫れ・高熱・飲み込む時の激しい痛みなどを感じたら、早めに耳鼻咽喉科にかかりましょう。

