根管治療(歯内療法)は、自身の歯を残すために必要不可欠な治療です。一方で、治療中や治療後にどのようなリスクがあるのか、失敗しないためにはどのような歯科医院を選べばいいのか、不安に思う方も少なくありません。そこで、根管治療中・治療直後に起こりうるトラブルとその対処法を、亀戸とよむら総合歯科の村野先生に聞きました。

監修歯科医師:
村野 浩気(亀戸とよむら総合歯科)
神奈川歯科大学歯学部卒業。東京医科歯科大学大学院(歯髄生物学分野)博士課程修了。日本歯科保存学会認定医。歯学博士。
編集部
根管治療中に起こりやすいトラブルに、どのようなものがありますか?
村野先生
治療直後はわずかに痛みや違和感をともなうものの、それも数日で落ち着くケースがほとんどなのですが、まれに「フレアアップ」といって、治療後に大きな腫れや強い痛みを生じることがあります。フレアアップに関しては発生頻度が低いものの、完全に予防するのは困難です。とはいえ、これらの症状は治療の成否に影響を与えるものではなく、あくまで一時的な症状、副作用的なものだと考えてください。
編集部
痛みや腫れが出た場合の対処法を教えてください。
村野先生
先ほどお話しした「フレアアップ」が生じた場合は、腫れや痛みが1週間ほど続くことがあります。その間は、処方された鎮痛剤で症状をコントロールしていくのが一般的です。ただし、顔全体が腫れたり、熱感をともなうような症状が表れたりした場合は、抗菌剤の投与を検討することもあります。鎮痛剤で症状が治まらない場合は、担当医にご相談していただければと思います。
編集部
そのほかに、根管治療中に起こりやすいトラブルにどのようなものがありますか?
村野先生
治療中の歯は内部が削られて薄くなっているため、強く噛んだり触ったりすると仮の歯が取れたり、歯が割れたりすることがあります。また、治療で使用する「ファイル」という細い器具が根管内で折れてしまうことも、治療中に発生するトラブルの1つです。昔と比べて器具の性能もかなり向上していますが、それでも折れるリスクがゼロとは言い切れません。
編集部
治療中に根管内で器具が折れた場合、その後の対処はどのように行うのでしょうか?
村野先生
器具が根管内で折れた場合は、基本的に折れた器具の除去を優先的に行います。ただし、根の奥深くや曲がった部分で折れた場合は、除去が難しい場合もあります。その部分に感染がなければ、折れた器具自体が問題を起こすことはありませんが、まだ感染が残っている場合は別の対処が必要です。具体的には、横から新たな通路を作って根の先の感染を除去するバイパス処置や、外科的に根の先端部分を切り取る手術などを行います。
※この記事はメディカルドックにて<「根管治療」の前に知っておきたいリスクと注意点を歯科医が徹底解説>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
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