梅毒は性感染症として知られていますが、症状は性器に限らず、身体のさまざまな部位に現れることがあります。そのなかでも手の甲に発疹が出ることがあり、ほかの皮膚疾患と見分けがつきにくいため注意が必要です。本記事では、梅毒の治療法と注意点などをわかりやすく解説します。
※この記事はメディカルドックにて『「梅毒」を発症すると「手の甲」にどんな症状が現れるかご存知ですか?【医師監修】』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
居倉 宏樹(医師)
は呼吸器内科、アレルギー、感染症、一般内科。日本呼吸器学会 呼吸器専門医、日本内科学会認定内科医、日本内科学会 総合内科専門医・指導医、肺がんCT検診認定医師。
梅毒の治療法と注意点

病院での梅毒の治療方法を教えてください
梅毒の治療には主にペニシリン系抗生物質が使用されます。初期の梅毒であれば、アモキシシリンやベンジルペニシリンベンザチンなどの抗菌薬を数週間服用または注射することで、ほとんどの場合に完治が可能です。治療中は定期的な血液検査で効果を確認し、治癒の証明が得られるまで通院が必要です。また、パートナーの同時治療や、感染経路の把握と予防指導も重要なポイントとなります。
手の甲の発疹が何もせずに消えたら治療は不要ですか?
発疹が自然に消えても、梅毒の治療は必要です。梅毒は一時的に症状が消えても、体内に菌が潜伏し続ける潜伏梅毒になります。このまま放置すると数年後に重篤な合併症を起こす可能性があるため、検査と治療を受けておくことが重要です。症状がなくても、梅毒は進行していく感染症であることを忘れてはなりません。
梅毒に感染していた場合に気を付けることを教えてください
梅毒に感染していたことが判明したら、まずはパートナーにも検査と治療を促すことが大切です。自分だけが治療を受けても、相手が未治療であれば、再感染してしまうおそれがあります。また、治癒の確認が取れるまでは性行為を避けることが不可欠です。再感染を防ぐためには、今後の性行為中コンドームを正しく使用することや、定期的な性感染症の検査を受けることが推奨されます。さらに、HIVやクラミジアなどほかの性感染症との合併もありうるため、あわせて検査することが望ましいです。早期の対応によって、患者さん本人の健康だけでなく、周囲の方を守ることにもつながります。
編集部まとめ

手の甲に現れる発疹は、梅毒を含めさまざまな皮膚疾患の可能性があります。特にかゆみがなく赤褐色で斑点状の発疹が、手の甲以外にも手のひらや足の裏に見られる場合は、梅毒の可能性を考える必要があります。自分での判断には限界があるため、少しでも不安を感じたら早めに医療機関を受診することが大切です。梅毒は適切な治療によって完治が可能な病気ですので、自己判断で放置せず、正しい知識と行動で健康を守りましょう。
参考文献
日本感染症学会ホームページ梅毒診療考え方令和6年3月
日本性感染症学会ホームページ梅毒診療ガイド(第2版)
国立健康危機管理研究機構感染症情報提供サイト梅毒治療の現状について

