「科学的捜査手法の信頼を揺るがす」茨城県弁護士会が県警を非難 DNA型鑑定資料を取り違え→起訴取り消し

「科学的捜査手法の信頼を揺るがす」茨城県弁護士会が県警を非難 DNA型鑑定資料を取り違え→起訴取り消し

茨城県弁護士会は12月26日、茨城県警察によるDNA型鑑定資料の取り違えについて、「科学的捜査手法に対する信頼を揺るがすほどの不適切な捜査手続き」だったとして、強く非難する会長声明を発表した。

報道によると、茨城県警察本部は12月23日、30代男性を邸宅侵入と窃盗容疑で7月22日に逮捕した事件について、捜査員が証拠品のDNA型鑑定資料を別の事件のものと取り違えて鑑定嘱託し、誤った証拠を根拠に逮捕していたと発表。水戸地検は同日、起訴を取り消した。

●「誤認逮捕ではない」とする県警のコメントを批判

茨城県弁護士会は声明で、「本件は捜査員による杜撰な証拠品の管理がなされた上に、科学捜査研究所が番号の不記載を指摘したにもかかわらず、捜査員が十分な確認せずに安易に袋に番号を追記し、さらに科学捜査研究所が当該資料についての鑑定嘱託を受け入れて鑑定を実施したというものであり、科学的捜査手法に対する信頼を揺るがすほどの不適切な捜査手続きであった」と批判した。

さらに、茨城県警察本部が「誤認逮捕ではない」等とコメントしたことについて、「本件問題の重大性を真に理解して改善しようとする組織の発言とは到底評価できない」と指摘している。

●全面的証拠開示制度の創設を訴え

声明では、佐賀県警察科学捜査研究所で7年余りにわたりDNA型鑑定で虚偽の書類を作成するなどの不正行為が明らかになったことにも言及。「警察内部の監察及び検察官による指揮並びに都道府県公安委員会による監督では、鑑定に際しての証拠の偽造や過誤による誤りを防止することはできないという構造的欠陥を明らかにしたもの」と述べた。

茨城県弁護士会は、「犯罪捜査の記録の適切な管理及び保管を義務付けるとともに全面的証拠開示制度を創設することを強く訴える」とし、茨城県警察に再発防止策を講じ、その内容を公表することを求めている。

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