先天性魚鱗癬様紅皮症の治療
先天性魚鱗癬様紅皮症を根治させる治療法はなく、皮膚症状を軽減する対症療法が行われます。
角質をとかす外用薬(サリチル酸ワセリン、尿素剤など)や保湿剤、皮膚の厚い角層を薄くする作用のある活性型ビタミンD3軟膏などを使用することが一般的です。
細菌感染がみられる場合は、抗生物質や抗菌作用のある薬が使用されます。また、かゆみが強い部分には、炎症を抑える作用のある外用剤が使用されます。
重症の場合には、新生児期に脱水症状を防止するための点滴、体温の管理、皮膚の細菌やウイルス感染に対する治療などが必要になることがあります。また、身長の伸びや体重の増加が思わしくない場合には、栄養剤などを補給することも検討されます。
先天性魚鱗癬様紅皮症になりやすい人・予防の方法
先天性魚鱗癬様紅皮症は遺伝性疾患であり、現時点では予防する方法がありません。同じ疾患をもつ人が家系にいる場合や、血縁関係にある人同士が結婚した場合には、発症リスクが高まると考えられます。
病型(タイプ)によって遺伝形式が異なり、遺伝する確率にも差があります。水疱型先天性魚鱗癬様紅皮症は常染色体優性遺伝であるため、父親または母親のどちらか一方が発症している場合、子どもが発症する確率は50%です。
そのほかの常染色体劣性遺伝の先天性魚鱗癬様紅皮症では、1対の遺伝子のうち両方に異常があると発症します。この場合、両親がそれぞれ1つずつ遺伝子異常を持っていると、子どもが発症する確率は25%です。
また、子どもの半数は発症しないものの、遺伝子異常をもつ保因者となります。なお、先天性魚鱗癬様紅皮症の発症において、男女差はないといわれています。
関連する病気
尋常性魚鱗癬
X連鎖性劣性魚鱗癬
ケラチン症性魚鱗癬
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表在性表皮融解性魚鱗癬
常染色体劣性先天性魚鱗癬
道化師様魚鱗癬
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魚鱗癬症候群
表皮水疱症ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群
参考文献
公益財団法人 難病医学研究財団/難病情報センター 先天性魚鱗癬(指定難病160)
公益財団法人 難病医学研究財団/難病情報センター 診断の手引きアトラス集 Ⅳ 魚鱗癬様紅皮症およびその類縁疾患
稀少難治性皮膚疾患に関する調査研究班による2014年最新版 先天性魚鱗癬様紅皮症 Q&A 【一般・患者さん向けパンフレット】
公益社団法人 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A 魚鱗癬(魚鱗癬様紅皮症とその他の重症魚鱗癬)
日本皮膚科学会診療ガイドライン 日皮会誌:118 (3) , 343-346, 2008日本皮膚科学会診療ガイドライン:水疱型先天性魚鱗癬様紅皮症

