「成長痛」と思ったら難病の可能性も?見極めるポイントや原因を医師が解説!

「成長痛」と思ったら難病の可能性も?見極めるポイントや原因を医師が解説!

夜中に子どもが足を痛がり、時には泣き続けることもある「成長痛」とは、どんなことが原因で起きるのでしょうか。

今回は、症状・対処方法・日常生活での注意点などについて詳しく解説します。

お子さんがあまりに激しく泣くと、「何か大きな病気なのではないか…」と不安になりますが、この痛みは一過性のことがほとんどです。

また、成長痛自体は珍しいものではなく、成長期の多くの子どもが経験するといわれています。

ただ、中には似た症状でも異なる疾患が隠れていることがあります。似た症状が出る病気についても確認しておきましょう。

※この記事はメディカルドックにて『「成長痛」の症状・対処法はご存知ですか?医師が監修!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

甲斐沼 孟

監修医師:
甲斐沼 孟(上場企業産業医)

大阪市立大学(現・大阪公立大学)医学部医学科卒業。大阪急性期・総合医療センター外科後期臨床研修医、大阪労災病院心臓血管外科後期臨床研修医、国立病院機構大阪医療センター心臓血管外科医員、大阪大学医学部附属病院心臓血管外科非常勤医師、大手前病院救急科医長。上場企業産業医。日本外科学会専門医、日本病院総合診療医学会認定医など。著書は「都市部二次救急1病院における高齢者救急医療の現状と今後の展望」「高齢化社会における大阪市中心部の二次救急1病院での救急医療の現状」「播種性血管内凝固症候群を合併した急性壊死性胆嚢炎に対してrTM投与および腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行し良好な経過を得た一例」など。

成長痛の特徴と症状

子どもの足

成長痛の特徴を教えてください。

2歳から14歳くらいの成長期の子どもに原因不明の下肢の痛みが現れます。一番の特徴は、夕方から夜間にかけての一過性の痛みです。
夜に激しく痛がっても朝になると痛みがすっかり治まってしまいます。また、成長期を過ぎると自然に痛みがなくなっていくことも特徴のひとつです。

どのような症状が出ますか?

夕方から夜間にかけて、太もも・膝・ふくらはぎ・足首などの下肢に痛みが現れます。また、下肢の中でも特に太ももから膝の辺りにかけて痛みを訴えるケースが多く報告されています。
痛みの度合いは人それぞれ異なりますが、夜中に強い痛みで目を覚まし、激しく泣き続けることも多いようです。ただし、翌朝には何事も無かったかのように元気に過ごすことが成長痛による症状の特徴です。
日中に変わった様子が無いので、安心する保護者も少なくありません。また、一般的に痛みは日中には起こらないことが多く、夕方から夜間にかけて不定期で現れます。

成長痛の原因は何でしょうか?

成長痛の原因は、はっきりしていません。“成長痛”という名前がついているものの、成長にともなう骨や筋肉の変化だけが原因というわけではないのです。運動後の下肢の疲れや心理的なことが痛みの引き金になるともいわれています。

成長痛は何歳くらいの方に多いですか?

2歳から14歳くらいの成長期の子どもにみられますが、特に多いのは3歳から5歳の幼児です。また、成長痛は国内だけでなく、海外の調査でも高頻度で報告されている症状のひとつでもあります。

成長痛と似ている症状が出る病気を教えてください。

成長痛と同様に下肢に痛みが出る病気の一例は以下の5つです。

オスグッド

ジャンプしたり・走ったり・ボールを蹴ったりすることで発症するスポーツ障害です。10歳から15歳の成長期に発症します。
膝のお皿の下の骨(脛骨結節)が出てくることが特徴的な症状です。それに伴い、患部に痛みが出たり、腫れたりします。脛骨結節の突出やレントゲン検査で診断することができます。

骨端症(セーバー病・シーバー病)

小学校中学年くらいの男の子によく発症する病気です。主症状は、かかとの痛みです。野球やサッカーなどの激しいスポーツでアキレス腱に過度な負担がかかることが原因となります。
成長期の子どものかかとにみられる骨端軟骨という部分に炎症が起こることが痛みの原因です。時には、かかとが腫れたり、痛くて歩けなくなったりすることもあります。

ペルテス病

5歳から7歳くらいの男の子に頻発する大腿骨頭壊死です。原因は、はっきりしていません。主な症状は、股関節・太もも・膝の痛みです。歩行時に足を引きずることがあります。股関節ではなく、太ももや膝のみの痛みを訴えることもあります。

単純性股関節炎

4歳から8歳くらいの子どもに発症する股関節炎です。感染症が引き金となることもありますが、はっきりした原因は分かっていません。
主な症状は股関節の痛みがほとんどですが、太ももや膝の痛みを訴え、足を引きずって歩いたり、痛くて歩けなくなったりすることもあります。
ペルテス病や化膿性股関節炎と症状が似ているため、MRI検査や血液検査での鑑別が必要となります。

小児リウマチ

若年性特発性関節炎という原因不明の疾患で指定難病のひとつです。16歳未満の子どもに発症し、6週間以上持続します。
症状は関節の痛みだけではありません。発疹が出たり、熱が出たりすることもあります。朝方に関節がこわばり、動かしにくくなることが特徴的な症状です。

編集部まとめ

メモを取る女性
不定期に繰り返す足の痛みは子どもにとっても親にとっても辛いものですが、成長痛は多くの子どもが経験する症状のひとつです。

まずは、落ち着いて痛みの様子を確認しつつ、患部をさすってあげるようにしましょう。

集団生活の中でたくさん走り回って、たくさんお友達と関わる子どもにとっては、身体的・精神的な疲労が痛みとして出やすいこともあります。

身体のケアだけでなく、心のケアを心がけることも大切です。また、成長痛と似た症状でも、他の疾患が隠れていることもあります。

日中にも変わった様子が無いか、注意してみてあげるようにしましょう。不安なことがあれば、主治医に相談してみてください。

参考文献

オスグッド病(日本整形外科学会)

若年性特発性関節炎(難病情報センター)

配信元: Medical DOC

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