「正月は夫の家」が当たり前? 義実家の"強要"はモラハラになる恐れ…令和の夫婦版「年末年始の過ごし方」

「正月は夫の家」が当たり前? 義実家の"強要"はモラハラになる恐れ…令和の夫婦版「年末年始の過ごし方」

年末年始は家族が集まる大切な時間ですが、義実家への帰省をめぐって「憂うつ」「気が重い」と感じる女性たちの声は、SNSでも多く見られます。

お正月くらいのんびり過ごしたいと思っていても、義実家では義父母に気を遣ったり、家事を手伝ったりと、なかなか休めないという人も少なくありません。さらに義父母からの育児への口出しなどをきっかけに、夫婦ゲンカへと発展してしまうケースもあります。

「正月は男性の実家に帰省するもの」といった価値観を持つ義父母や夫との「意識のズレ」に悩む人もいるでしょう。

では、令和の時代における義実家との付き合い方や、夫婦間での「合意形成」はどのように考えるべきなのでしょうか。夫婦円満に新年を迎えるためのポイントについて、夫婦の問題にくわしい原口未緒弁護士に聞きました。

●現在は薄れてきた「嫁」という前提

──トラブルの原因の一つとして、義実家や夫から「嫁なんだから来るのは当然」「妻が夫側の家を優先するのが伝統」といった言葉が向けられることがあります。こうした考え方は、現行の法律や夫婦関係のルールから見て問題はないのでしょうか。

戦前の民法では、結婚した女性は「夫の家」に入る存在とされ、親族行事や正月の過ごし方も、夫側を優先する構造が制度として組み込まれていました。

しかし、現在の民法ではこうした家制度は廃止され、夫婦は法的に対等な存在とされています。一方で、生活習慣や意識の面では、こうした価値観が慣習として一部に残っていることもあるでしょう。

ただ、社会は大きく変化しています。令和の現代、とくに若い世代を中心に「嫁いできた嫁」という意識は薄れており、「女性が男性の実家に行くのが当然」という前提自体を見直す必要があります。

それにもかかわらず、夫が妻に対して「夫の実家に帰省するのが当たり前」といった圧をかけるのであれば、妻に対するモラハラの傾向がうかがえる場合もあります。

●帰省の強要が続けば「離婚事由」に

──妻の気持ちを無視して、強引に帰省させようとする義父母や夫の行為は、「モラハラ」にあたるのでしょうか。また、こうした行為が続けば、離婚事由になる可能性はありますか。

義父母や夫が明確に「帰省しろ」と強要していなくても、妻が断ることのできない、あるいは断りづらい雰囲気や言い方、普段からの態度や関係性によって、実質的に強要されている場合には、モラハラに該当する可能性は高いと考えます。

妻の気持ちを慮ることができず、帰省の強要が長期間にわたって続けば、妻は強いストレスを受け、心身に不調をきたすおそれもあります。そうした場合には、婚姻関係を継続しがたい重大な事由として、離婚原因の一つになり得ると考えられます。

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