分子標的療法を行う目的
分子標的療法は、がん細胞や疾患を引き起こす細胞の異常分子構造をターゲットにして、がんを小さくしたり病気の勢いを弱めたりすることを目的に行います。がん治療における分子標的療法は、通常のがん化学療法の効果を強めるように併用することが多いです。非がん治療で用いられるときには、既存治療よりも高い治療効果をもたらすことが期待されます。
分子標的療法の流れ
診察・検査
病歴聴取、身体診察、画像検査(CT、必要に応じてMRI・PETなど)、血液検査などの一般的な診察が通常行われます。その後、分子標的療法の適応がどうか調べるための検体が採取され、病理検査や遺伝子異常の有無を調べる検査を行います。この検体採取は、手術の検体を用いることもあれば、生検のために日帰りや数日入院で行われることもあります。
治療計画
がんの全身の拡がりの有無や症状から病期を決定して治療方針が決まります。外科治療を優先して行う場合もあれば、生検などで検体を採取して病理検査や遺伝子異常の有無を調べてから治療計画を立てるべきがんもあります。そのため基本的には治療医の勧めをよく聞いて、納得できればその通りに治療を進めていくのが普通です。治療方針に疑問や不安がある場合には主治医によく質問をしましょう。いくら説明をうけても方針に不安が残るようであれば、治療を始める前に他院でのセカンドオピニオンを考慮しましょう。
治療をどのように行うか
外科治療を行うかどうか、化学療法を行うか、分子標的療法を行うか、放射線治療を行うか、これらをいつどのようにどう組み合わせて行うかは、ガイドライン上の推奨と本人の希望により決まります。
分子標的薬や化学療法による治療を行うことが決まったら、その治療について、スケジュールや予想される副作用などの説明がされます。場合によっては副作用を軽減させたりするための処置や投薬が先に始まることもあります。
内服や点滴で投与します。自分の受ける分子標的療法についての説明や治療スケジュールをよく聞いておきましょう。内服薬であっても慎重に経過をみるために初回投与を入院で行うこともあります。
治療中の流れ
内服薬の場合、通常は外来受診や処方で治療が続きます。点滴投与も外来化学療法室というベッドのある病院の処置室で当日点滴して帰宅できるので、必ずしも毎回入院は必要ありません。副作用が出た場合は、処置や投薬で対応します。場合によっては入院での副作用治療が必要になることもあります。
定期的な血液検査・画像検査で効果と安全性を確認しながら行うため、自覚症状がなくても副作用のために投薬中止や減薬を指示されることもあるかもしれません。自覚的な副作用症状や副作用か分からないが身体につらい症状がある場合は治療医に早めに相談しましょう。治療医に話せなかった場合でも外来や外来化学療法室のスタッフに相談しましょう。必要な処置や投薬につながって、症状がひどくなる前に対処できることがあります。

