今年に感謝して、新年をいい年にするために。最終回の、大事な話です。
現役の神職さんが教えてくれる大事な話。『神様と暮らす12カ月 運のいい人が四季折々にやっていること』より。
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八百万の神々の視点を借りて、「五感で世界を捉える」ことが、幸せへの近道
人の幸福感に関係していると言われる、いわゆる「幸せホルモン」と呼ばれる神経伝達物質には、ドーパミン、セロトニン、オキシトシン、β(ベータ)‒エンドルフィンの4種類が確認されていますが、そのどれもが単独では機能しにくく、複雑に作用しあっていることが、最近の研究でわかってきたそうです。
幸せホルモンたちは、何かの物質をこの分量摂取すればこれだけ分泌される、という単純なものではないのです。
たとえばオキシトシンは、スキンシップによって分泌され、そのオキシトシンが、セロトニンの分泌をうながす、という効果もあると言います。
子どものころ、お腹が痛いときにお母さんにお腹に手を当ててもらうだけで、ましになったりしましたよね。あれは単なる気のせいではなく、体の中で「気」を左右する神経伝達物質が複雑に作用しあっているからではないでしょうか。
同じように、「開運」や「縁起をかつぐ」など、一見科学的根拠のない概念で行ったことが、こうした体の複雑系に作用して、幸せホルモンと呼ばれる神経伝達物質の分泌につながり、個々を幸福感へと導く可能性は、おおいにあると思います。

人間の体や、それをとりまく世界を、一元的に捉えることは不可能です。それでも人は、すっきりとした「正解」を知りたがり、賢い人たちは、人々が求める「正解」を見出すために、日々、考えに考えています。それは、人間が「言語」というものを持ち、「言語で論理的に考える」ということができるようになった宿命のようなものですよね。社会的な生き物である人間が、よりよい社会を作るためには、必要不可欠なことでもあります。
いっぽうで、動物としての人間は、「頭でわからないものは、わからないこととして、世界を五感で捉える」ということができます。
八百万の神々と遊んで暮らす、というのは、「世界を八百万の神々の視点で、かぎりなく多角的に捉える」ということなのです。
「正解」を論理的に考えることと、五感で世界を捉えること。
それは「陰」と「陽」のように、どちらかが100パーセントになることはなく、一人の人の中で、絶えず配分を変えながら、私たちは「幸せとはなにか」を追求しているのだと思います。
その配分は、年齢や社会的立場によっても変わるでしょう。傾向として、現代の大人は論理的思考のほうが優位になりすぎているように思います。ですから、五感で世界を捉えることを意識すると、バランスがとれて、いまよりも楽に、ゆるく、幸せを感じやすくなると思うのです。
五感を使って、八百万の神々と遊ぶ力は、すべての人が、赤ちゃんや子どものころには持ち合わせていた能力のはずです。神社は、その能力を回復させるのに最適な「場」だと思います。
年末年始は、この「場」がいつもより近くなる絶好の機会です。
五感をとぎすませ、神社を訪れ、自由で清らかな心と体で、八百万の神々と雅に遊んでくださいね。

