夫婦カウンセリングを訪れるカップルが急増しています。コロナ禍のステイホームやリモートワークの普及により、パートナーへの不満から目を逸らしにくくなってきたことも要因のひとつだと『夫婦はなぜ壊れるのか』の著者は言います。病気の妻にから揚げが食べたいと言ってしまう夫から、実家に尽くし過ぎる妻まで。夫も妻も、なぜみすみす関係を悪化させるような言動をとってしまうのか。その背景を本書から抜粋して紹介していきます。別居や離婚を考えながらも揺れている方はもちろん、家庭内が以前に比べてギスギスしていると悩んでいる方まで、関係改善のヒントが得られる1冊です。
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コロナ禍で急増したアプリ浮気
私のオフィスでは、コロナ禍の影響か、夫の浮気相談が増えました。夫婦共にテレワークとなり、一緒にいる時間が増えてお互いの嫌な所が目に付くようになった、妻が1日中子どもに口うるさく注意しており、自分も色々言われ、家事負担も増えうんざりした、しかも飲みにも行けないし出かけられもしない、だから何かちょっとした楽しみが欲しい。
そんな流れでマッチングアプリで女性とやり取りし始めたらしいという相談が増えたのです。「女性と楽しくやり取りするのがストレス発散になった。でも実際に会う気は最初からなかったので浮気ではない」というのが夫の言い分。でも、妻からすればこれもやはり十分な裏切りになります。心は別の女性を求めているのですから。
妻が口うるさいというのは、それだけ大変で助けを求めているという事です。そんな時に、身体の関係はなくても他の女性を求めたという事は、妻にとっては大きな裏切りです。それを夫たちは知っておく必要があります。
愛情欲求か、あるいは思春期の再来か
夫の浮気の原因としては、前述の愛情欲求の問題が関わっている事もあります。「人から嫌われたくない」「とにかく愛されたい」という気持ちが強く、妻がいても他の女性からの愛を求めてしまう──たとえ妻との関係がうまく行っていても、過去の愛情の器が満たされなかった苦しさが、浮気につながってしまうのです。
ただ、愛情欲求が満たされていても浮気をする男性もいます。これは、思春期の反抗の繰り返しに近いと言えます。
例えば子どもが生まれ、生活を回す為に妻が口うるさくなる。父親である自分にも協力を求めて来るようになり、「やり方が違う」「もっと早くやって」などと言う妻が母親の姿と重なってしまう。そこから逃れたくて、楽しくおしゃべり出来る女性を求めて浮気をしてしまう男性もいるのです。コロナ禍でマッチングアプリを始めたケースなどはこれに当たります。妻の姿が口うるさかった母と重なり、そこから逃げたくなる──。気持ちは分かります。しかし、夫はもう少年ではありません。結婚している以上、妻から、家族から逃げる事は許されないのです。
また、勉強や部活ばかりしてきて学生時代に遊んでこなかった男性は、大人になって遊ぶ事の楽しさを覚えると、家庭を顧みずにのめりこんでしまう傾向があります。お酒しかり、ギャンブルしかり、浮気もあり得ます。女性と飲み歩くのを「身体の関係はないので、浮気ではない」と言う男性もいますが、自分が家事育児に必死になっている時に、他の女性と楽しく飲んでいるというのは、妻としてはなかなか我慢ならないものです。

