筆者の話です。
若い頃、友人の「お嫁さんなんだから」という言葉にうなずいていた私。
けれど結婚して気づいたのは──あのとき想像もしていなかった「現実の重さ」でした。
軽く言ったひと言
独身だった頃、結婚している友人との食事会では、自然と義実家との話題になります。
「義実家は親戚が多くて、行事ごとも多く大変なんだよ」と聞くたびに、何の疑いもなく「お嫁さんなんだから、そのくらい頑張らなきゃだよね」と言っていました。
昭和の価値観がまだ色濃く残っていた時代で「義実家のことはお嫁さんが率先してやるのが当然」と思い込んでいたのです。
義家族との距離の難しさなど想像もせず、ただ「言葉の世界」だけで判断していました。
あの頃の私は、それ以上を深く考えることもなかったのです。
結婚で変わった景色
けれど自分が妻として家庭に入ると、状況は一変しました。
自分の親に加えて、夫の親も「大切にすべき家族」になるという現実。
冠婚葬祭や季節の行事、親戚づき合いなど、気を配る場面は単純に×2に増えていきます。
結婚式でしか会ったことがない親類の法事、誰が誰だかわからないまま「〇〇くんのお嫁さん!」と呼ばれ雑事をこなす。
若いのだからと座る暇さえ与えられません。
予定表が義実家の予定で埋まっていくたびに、気持ちの余白がどんどん削られていくようでした。
それでも表向きは平気な顔をして過ごさなければならないため、心の奥だけが、静かにすり減っていきます。
そのたびに「思っていたのと違う」と胸の奥がざわついたのです。

