コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョンマンガ部」。今回は、「カドコミ」で掲載中の『玉藻の恋』(KADOKAWA刊)の1エピソード『おキツネ様の朝』を紹介する。作者のミトさんが、11月3日にX(旧Twitter)に本作を投稿したところ、8000件を超える「いいね」やコメントが多数寄せられた。本記事では、ミトさんにインタビューを行い、創作の裏側やこだわりについて語ってもらった。
■忘れ去られた神社に訪れた男性
稲荷商店街の路地裏にある神社には、「玉藻」という人々を幸せにする妖が祀られていた。人々に忘れられ社が朽ちてしまえば玉藻自身も消滅してしまう。そんな中、この街に引っ越してきた野並は神社の手入れをするように。ある日、体調が悪く来なくなった野並の様子を見に行った玉藻は、彼を助けようと妖力を使い、自身の分身である社も崩壊してしまう。
野並はその状況を知って「ウチ来ます？」と玉藻を家に招いた。玉藻は野並のことを「主様」と呼び、寝食を共にする2人。ある日の朝、野並より早く起きた玉藻は、野並を起こさぬように、そっと布団を抜け出した。そして、野並の寝顔を見た玉藻は…。
このエピソードを読んだ人たちからは、「心が和む」「幸せな空間」「ジャンプシーンかわいすぎる」「お互いの幸せを願ってそう」など、多くのコメントが寄せられている。
■作者・ミトさん「自己満足にならないように、読む人にちゃんと伝えられるような漫画を描きたい」
――本作のお話の発想の源はどこだったのでしょうか？
伝説として存在した「玉藻の前」という妖狐が、美しくじつに甲斐甲斐しい女性というのを知り、そんなおキツネ様と暮らしたいという一心で描きました。
――本作では、玉藻がベッドから降りたときのドヤ顔がかわいらしく何度も見てしまいました。本作を描いたうえで「こだわった点」あるいは「ここに注目してほしい！」というポイントがあればお教えください。
すごくこだわった部分だったので、そう思っていただけて嬉しいです！ありがとうございます。私の妄想の中での玉藻は本当に仕草や表情が豊かでとてもかわいいおキツネ様で、それをちゃんと伝えられるよう描画に気を付けました。表情や仕草、モフモフの部分あと衣装のデザインにも私の大好きを詰めているのでそういったところも見てもらえると嬉しいです。
――本作は『玉藻の恋』の1エピソードですが、以前のインタビューで野並のキャラクターについて教えていただきました。2人のそのほかの性格や行動についてもぜひお教えください。
以前は野並はどこにでもいるキャラクターを目指したをお伝えしましたが、今回は玉藻について少しだけですが、玉藻はとても素直な性格で、久しぶりに顕現した人間界で沢山の初めての出来事を心から楽しんでいます。なんでも物事を前向きにとらえる子です。おしゃれも大好きで同人誌の中では現代の服を着て喜んだり。しかし、ちゃんと自分の好きなものは持っていて、本人はやはり着物の着心地が好きのようです。
――ストーリーを考えるうえで気をつけていることや意識していることなどについてお教えください。
漫画を描く事は日々自分にとって勉強なので、常に意識することは変わっていくのですが、当たり前の話も自分の世界での話を描く。そしてそれが自己満足にならないように、読む人にちゃんと伝えられるような漫画を描きたいです。
――ミトさんの作品はもふもふ率が多いですが、尻尾や耳などのもふもふを描く際に時間をかけている箇所やこだわっていることはありますか？
語ると100時間くらい話してしまうので控え目にしますね！描画の際には「毛並みと形」です 種族によって耳もシッポも形が違うので、玉藻でしたら狐のしっぽと耳の形。こだわりはその子達の性格や体格に合わせて大きさやアクセサリー等も変えています。
――今後挑戦してみたいジャンルやテーマがありましたらお教えください。
ずっと少年漫画的を描いてきているのですが、実は少女漫画もすごく好きなので、少女漫画の視点でのケモ耳漫画も描いてみたいなと思ってます
――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします！
これからも沢山のケモミミを追求し、描き、己の欲をかなえていきたいと思います。ケモミミお好きな方は是非一緒に楽しんでいただけますと嬉しいです。
