22歳の座長、撮影現場ではどんな姿?
髙石は現在22歳。20代前半で朝ドラの主演に抜擢された髙石をどのように見ているのか。「これまで単独主演はあまり多くありませんが、そういったキャリアを感じさせないほど座長として堂々としています。相当なプレッシャーがあると思いますが、とにかく疲れた顔を見せないんです。楽屋に閉じこもることはなく、積極的に現場に出てコミュニケーションをとり、いつも『撮影楽しいです』と笑顔を見せてくれます。
クランクアップというゴールもそろそろ見えてきましたが、『もうすぐ終わっちゃうのは寂しい』『もっとやりたい』と言っていて、いつも元気な姿を見せて、引っ張っていってくれる姿勢はすごいと感じています」
また、髙石は自身のX(@takaishi__akari)にて、撮影現場の様子を写真付きで頻繁に投稿するなど、SNSを活用して本作を盛り上げようとしている姿勢も印象的だ。これには橋爪氏は「現代っ子ですよね」と笑う。
「コミュニケーションが好きな人なんだと思います。スタッフともたくさん話しますし、『ファンの人からこんなこと言われた』みたいなことを喜びながら報告してくれます。人との交流が彼女のモチベーションの1つになっているから、SNSを積極的に更新しているのかなと」
三枚目としても輝く、吉沢亮の存在
本作では髙石の存在感もさることながら、歴史的大ヒットを記録している映画『国宝』で主演を務めた吉沢亮に注がれる視線も多い。『ばけばけ』ではヘブン(トミー・バストウ)に度々振り回される錦織友一役を演じ、その様子はとても面白く、“三枚目”として視聴者を魅了している。吉沢はどのように撮っているのだろうか。
「吉沢さんはイケメンではありますが、『いわゆる“二枚目俳優”ではないんじゃないのかな』と感じています。間違いなくイケメンですが、三枚目の芝居も本当にうまいんです。吉沢さんはただただカッコ良いだけの役をやってもらうより、周囲に振り回されて右往左往しているほうが輝く人だと思っています。本作でも、泥臭く、自分の思惑通りにいかずに困惑する姿が面白く、本当にすごい役者ですね」とはいえ、今後も錦織は“お笑い要因”であり続けるわけではないという。
「錦織は時代の中でいろいろな辛酸を舐めてきた秀才です。いろいろな歴史資料を読むと、錦織のモデルとなった西田千太郎さんは、ヘブン、つまりは“ハーンの良き理解者”として書かれてはいますが、『きっとそれだけじゃない』と思っています。今後、錦織の辛い過去も明らかになりますので、錦織という人間の深みを感じてもらえれば嬉しいです」
髙石あかりを中心に、吉沢亮をはじめとするキャスト陣が丁寧なキャッチボールを重ねることで、『ばけばけ』は血の通った人間ドラマにしているのだろう。
<取材・文/望月悠木>
【望月悠木】
フリーライター。社会問題やエンタメ、グルメなど幅広い記事の執筆を手がける。今、知るべき情報を多くの人に届けるため、日々活動を続けている。X(旧Twitter):@mochizukiyuuki

