5位:ホットスポット
『ホットスポット』(日本テレビ系)は、リピート視聴回数も満足度も高かった一本です。清美(市川実日子)の同僚・高橋さん(角田晃広)が“宇宙人”だと判明する斜め上の設定なのに、そのルールが異様に細かいのがバカリズム脚本らしい。能力は人間の元の力を底上げするだけ、使うと副作用が出る、回復は勤めるホテルの温泉——しかも「頭脳系を使うとハゲる」など、笑えるのに妙に納得してしまう設定が視聴者の想像を気持ちよく裏切ってきます。
脱力系の会話劇は圧巻
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さらに圧巻なのが脱力系の会話劇です。清美とはっち(鈴木杏)、みなぷー(平岩紙)、高橋さんの“ただの駄弁り”が延々と続くのに一切飽きません。しかも会話の8割が他愛もないのに、伏線回収がやたら細かい。
「記憶力が落ちている」程度の弱いボールまで地続きで拾い、日常とキャラが立体的に積み上がっていくのがクセになります。建前の会話と心の声(本音)の対比もリアルで、「職場にいそう」な普通の人たちが、超能力者や未来人まで巻き込みつつ、最後は富士浅田市の未来=大切な日常を守るために一致団結する展開も見事でした。

