離婚は1月1日以降じゃないと損?年末離婚の夫婦が失う「大きすぎる経済的損失」

離婚は1月1日以降じゃないと損?年末離婚の夫婦が失う「大きすぎる経済的損失」

●結婚20年の夫婦は要注意「おしどり贈与」2000万円控除の特例

──ほかに、離婚のタイミングで損をするケースはありますか。

婚姻期間20年以上の夫婦には、居住用不動産の「おしどり贈与」の特例が適用されます。これは、居住用不動産(またはその購入資金)の贈与について、2000万円まで贈与税の課税対象から控除できる制度です。

離婚に伴う財産分与は通常、贈与税の対象ではありませんが、不動産の分与では、渡す側に「譲渡所得税」が発生するなど、税務処理が複雑になるケースもあります。

そのため、20年の節目を迎えてから特例を利用して、自宅名義を移すことで税負担を抑えつつ、柔軟な解決ができるかもしれません。

また、年金分割や退職金の試算においても、離婚時期によって得られる金銭が変動する場合もあります。定年が近づけば、退職金の額が確定しやすくなり、財産分与の計算がスムーズになることも考えられます。

また、婚姻期間が延びることで、年金分割の対象期間が増える可能性もあります。将来の紛争を防ぐためにも、慎重な検討が望ましいでしょう。

●婚姻費用にまで影響、離婚成立の月が境になる

──税制面以外はどうでしょうか。

離婚タイミングは家計に直結します。その一つが、婚姻費用の算定です。

一般に、婚姻費用は離婚が成立した月まで支払われ、翌月からは養育費に切り替わることが少なくありません。婚姻費用には配偶者の生活費も含まれるため、養育費より高額となる傾向があります。

たとえば12月31日に離婚すると、1月分は養育費のみになりますが、年明けの離婚であれば1月分も婚姻費用を受け取れる可能性があります。

受け取る側の生活の安定に関わる重要なポイントといえます。

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