京都府内の私立こども園に通っていた女児ミナミちゃん(仮名・4歳)が「友だちからベロを舐められた」と両親に打ち明けた。相手は、同じ園に通う幼なじみの男児ユウマくん(仮名・5歳)だった。
この出来事をきっかけに、ミナミちゃんは登園できなくなり、最終的に転園した。医師からは「心的外傷後ストレス障害(PTSD)の疑い」と診断されたという。
園側の対応に強い疑問を抱いたミナミちゃんの両親は、園やユウマくんの保護者に対する法的措置を検討している。(ライター・渋井哲也)
●「幼なじみだから」と気持ちにフタをしていた
ミナミちゃんが被害をうったえたのは、2025年6月11日の夕食時だった。突然、「ユウマくんは私のことを好きすぎて、(距離が)近い」と話し始め、「ベロをペロンと舐められた」と打ち明けたという。
両親は大きな衝撃を受けた。
「夕食のときは、園での出来事をよく話してくれるんです。『いつ』『どこで』という点ははっきりしませんでしたが、突然『舌を舐められた』と言い出して…。驚きで頭が真っ白になり、ご飯ものどを通りませんでした」(ミナミちゃんの母親)
ミナミちゃんは今年4月に入園し、5月から園のバスで登園していた。
「登園時に待つバス停がユウマくんと同じで、園内の帰りのバス待機場所も一緒でした。その頃から、2人の距離が近すぎると感じる場面が増えていました」(母親)
抱きつく様子は日常的で、周囲の園児も目にしていたという。
「『お気に入りの子なんだろう』『ユウマくんには妹がいるから、妹に対する接し方のような感じだろう』『幼なじみだから可愛がってくれているだけ』と、自分の中で心配する気持ちにフタをしていました」(母親)
不安を感じつつも、両親は性教育の絵本を購入し、ミナミちゃんに読み聞かせをしていた。そんな最中で明らかになったのが、今回の出来事だった。
●距離感への違和感、頬にキスも
6月に開かれた保護者会主催のレクリエーションの際、ユウマくんはミナミちゃんの家族がいる場所に何度も来て、一緒におやつを食べたという。
「距離の近さに違和感はありましたが、幼なじみとして接していました。ただ、レクリエーション終了後、ユウマくんが娘の胸を触り、頬にキスをしようとしたんです。とっさに『ダメだよ!』と止めました。
5歳の子がここまでの行為をするのかと驚きました。ユウマくんの両親は見ていませんでした。今思えば、あの時にもっと強く抗議すべきだったと後悔しています」(母親)
さらに、ミナミちゃんが被害を打ち明けた日、母親自身もユウマくんから腕を舐められそうになっていたという。
「ユウマくんの家庭では、お互いを舐める行為がスキンシップなのかもしれません。でも、私には受け入れられませんでした。相手が拒まなければ、やっていいとは思えません。娘が『嫌だ』と認識できていなかったとしても、私は性被害だと思いました」(母親)

