●担任「これで全部、元通り」
6月20日、ミナミちゃんは登園を再開した。ただし、バスは使わず、両親が車で送迎をした。
園内では、ミナミちゃんの近くに先生が付いていたが、2人が接触する場面があった。園側は「ミナミちゃんからユウマくんに話しかけたから」と説明したという。
この点について、担任は「これで全部、元通り」と話したが、母親は"軽い発言"だと感じた。
「この頃から、娘の様子が明らかに変わってきました。描く絵が複雑になっていきました。没頭して、たくさん描くようになったんです。現実逃避のように見えました」
登園前になると、突然工作を始め「これができないから行けないの」「うまくいっていないからダメなの」と話すようになった。
●「どうして加害者を優先するのか」
両親によると、園の対応は「形だけで、被害を認めていない」と映ったという。
園から「帰りのバスの待機場所で被害に遭ったのだから、バスのルートを変更したらどうか?そうすれば待つ時に一緒にいなくて済む」「バス停を変えれば親御さんと会わずに済む」と提案された。
両親は怒りを感じた。「どうして加害側を優先するのか」「どうして被害を受けた側が変わらないといけないのか」とうったえた。
ユウマくんの保護者に対して「せめてバス停を変えてもらえないか」と園を介して求めたが、拒否されたという。謝罪もなかった。園側からは「これ以上、介入できない。関われない」と説明された。
事態が進展しない中で、ミナミちゃんは次第に「みんな、私のことが嫌いなんでしょ」「男の子が嫌い」「みんな嫌い」と話すようになった。
水遊びでプールを利用するとき、「水着になるのが嫌だ」「幼稚園の友だちみんな嫌い」と言い出して、布団にくるまって出てこなくなることもあった。こうして、再び登園が難しくなっていった。
7月に入り、園長は電話で「抱きつきは男児にとってはコミュニケーションの一環だった」「娘さんのほうから近寄って行った面もある」「性被害は許せないが、事実は確認できていない」と話したという。
母親が「子どもを守りたい」とうったえると、園長は「職員を守りたい」と応じ、話し合いは平行線をたどった。このやり取りの後、母親自身も「適応障害」と診断された。

