白大腸は食べ物の吸収や消化に関わる大切な臓器です。大腸がんの手術では大腸を切除するため、これらの機能が低下する可能性があります。
大腸がんの手術で注意すべきポイントは、術後の生活だけではありません。
術後は縫合不全や感染症などの合併症のリスクがあり、これらを発症すると入院期間も延長してしまうでしょう。
また、手術が終わって順調に退院したとしても、普段どおり仕事などをして動き回ってもよいものなのか気になる方もいるのではないでしょうか。
今回は、そのような大腸がんの術後の食事などの生活について、術後に起こりやすい合併症に触れながら解説します。

監修医師:
本多 洋介(Myクリニック本多内科医院)
群馬大学医学部卒業。その後、伊勢崎市民病院、群馬県立心臓血管センター、済生会横浜市東部病院で循環器内科医として経験を積む。現在は「Myクリニック本多内科医院」院長。日本内科学会総合内科専門医、日本循環器学会専門医、日本心血管インターベンション治療学会専門医。
大腸がんとは?
大腸がんは、大腸でできた腫瘍のなかでも悪性のもののことです。腫瘍は大腸表面の粘膜から発生し、進行すると粘膜表面から徐々に進行していき、大腸壁の奥深くまで進展します。
腫瘍のサイズが小さい間は自覚症状に乏しいですが、腫瘍が大きくなり便の通り道を塞いでしまうと痛みが発生するでしょう。また大腸は以下の部分に分類できます。
盲腸
上行結腸
横行結腸
下行結腸
S状結腸
大腸がんが上記の部分のどこに発生するかによっても、出現する症状が異なります。血便や排便習慣の変化など便に関わるものは要注意です。お腹の調子がいつもと違うなと感じたら、一度受診するようにしましょう。
大腸がんの手術後の生活で大切なこと
大腸がんの手術では、大腸を切除したことで便の形成や排出に影響を与えます。また、切除した部分が肛門に近い程、影響が大きくなります。
術後にどのような影響が出現する可能性があるのか、担当医師によく確認しておきましょう。結腸部分の手術では便の形成や排出に対する影響はあまりないといわれています。
規則正しい生活
大腸がんを手術によって摘出した後、原則食事制限はありませんが太ってしまう場合があります。そのため、腹7分~8分目くらいにしておくようにしましょう。食生活の面では、食物繊維の摂取が多いと腸閉塞を起こしてしまう可能性があります。
術後の経過によっては食物繊維の制限がない場合もあるため、退院前に医師に確認しておきましょう。
禁煙
喫煙は大腸がんの発生リスクを上げるという報告があるため、再発を防ぐ観点から禁煙しておいた方が無難でしょう。
節度のある飲酒
術後の飲酒は、節度のある飲み方を心がける必要があります。ビールは1缶・日本酒は1合程度です。
もう少し飲みたいという方は、主治医にどの程度までが許容範囲なのか確認しておきましょう。
適度な運動
術後はウォーキングやストレッチなど軽い運動から始めましょう。1~3ヵ月程度で術前の日常生活には戻れるようになります。
しかし、腹筋を使うような運動は傷口が開く可能性があります。どこまで運動してよいかは医師の判断になるので、医師に確認しておきましょう。

