胃潰瘍の予防法と診断後の再発防止策

胃潰瘍にならないために気を付けることを教えてください
胃潰瘍を防ぐためには、胃の粘膜を守る生活習慣を整えることが基本です。まず、食事は規則正しく、よく噛んで食べることが大切です。空腹の時間を長くしすぎると胃酸が粘膜を刺激するため、1日3食を目安にリズムを整えましょう。
アルコールや強い香辛料、コーヒーなど刺激の強い飲食物の摂りすぎも避けます。また、睡眠不足や過労、ストレスの蓄積も胃酸分泌を増やすため、適度な休息と気分転換を意識することが重要です。喫煙も粘膜の血流を悪化させ、治りにくくする要因になるため、禁煙が推奨されます。
ピロリ菌を除去することで胃潰瘍は防げますか?
ピロリ菌を除菌することで、胃潰瘍の再発を減らすことができます。ピロリ菌陽性の方には、除菌療法が推奨されています。治療は、胃酸分泌を抑える薬と複数の抗菌薬を一定期間組み合わせて使用します。
除菌が成功すると、胃粘膜の炎症が改善し、潰瘍が再び起こる可能性が下がります。ただし、薬剤耐性の問題や服薬の状況によって効果が左右されるため、治療後に検査を行い、除菌できたかどうかを確認することが大切です。
参照:『消化性潰瘍診療ガイドライン 2020』(日本消化器病学会)
胃潰瘍は再発する病気ですか?
胃潰瘍は、原因が残っている場合に再発しやすい特徴があります。特にピロリ菌感染を放置している場合や、NSAIDsなど胃粘膜に負担をかける薬を継続している場合は、治癒後も潰瘍ができやすい状態が続きます。一方で、原因を適切に取り除くことで再発の頻度は大幅に減ります。内視鏡検査で粘膜の状態を確認しながら、継続的に治療を進めることが望まれます。
胃潰瘍の再発を防ぐためにできることを教えてください
再発を防ぐには、薬の服用を自己判断で中断しないことが大切です。痛みが治まっても、胃粘膜の回復には時間がかかります。治療薬を指示どおり続け、医師の再診を受けてから中止の判断をします。また、NSAIDsを服用している方は、胃酸を抑える薬を予防的に併用することで潰瘍発生のリスクを減らせます。さらに、バランスの取れた食事、十分な睡眠、ストレスの軽減を意識し、胃に負担をかけない生活を継続することが重要です。
編集部まとめ

胃潰瘍は、胃の粘膜が胃酸などの刺激により深く傷つく病気で、ピロリ菌感染や薬の影響が主な原因です。痛みや不快感が一時的におさまっても、治療を中断すると再発しやすく、出血や穿孔といった重い合併症につながるおそれがあります。治療の中心は、胃酸の分泌を抑える薬や粘膜を保護する薬の服用、そしてピロリ菌除菌療法です。再発を防ぐためには、医師の指示に沿った服薬の継続に加え、規則正しい食生活や禁煙、ストレスのコントロールなど日常の工夫も欠かせません。
胃の不快感や黒い便、原因不明の貧血がある場合は、早めに消化器内科を受診し、内視鏡検査を受けることが安心感につながります。さらに、既往に胃潰瘍がある方やNSAIDsを使用している方は、定期的な診察を受けて胃の状態を確認し、症状の変化を見逃さないことが大切です。
参考文献
『消化性潰瘍診療ガイドライン 2020』(日本消化器病学会)

