実母を亡くした寂しさから…
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正行は、嗚咽をもらしながら、なんとか言葉をしぼり出した。
「…疲れてたんだ。仕事のストレスも、最近すごくたまってて…」
しかし、その言葉に納得できなかった。ストレス発散なら、もっと違う方法だってあるはずだ。
「一番の理由は…母さんが亡くなってから、一人になるのが、すごくこわかったんだ…」
正行の母は、去年の夏に亡くなっていた。優しくて、私にもマオにもよくしてくれたお義母さん…。正行は、実母を本当に大切にしていたのは知っている。
「佳奈子とマオが旅行に行って、一人で家にいたら、寂しくて、不安で…どうしても、誰かにそばにいてほしくて…」
泣きじゃくりながら話す正行を見て、どうしていいかわからなかった。正行の気持ちも理解できる。でも、だからって…。
「だからって、家に呼んでいい理由にはならないよね。本当にごめん…」
正行は涙で顔をくしゃくしゃにしながら、私の手をにぎりしめた。
「佳奈子やマオがいてくれたから、ここまで頑張れたんだと思う」
その言葉に涙があふれてきた。私も、正行のつらさに気づいてあげられなかった…。もっと寄り添うべきだったのかもしれない。そう思うと、自分を責める気持ちがまたわき上がってきた。
あとがき:行き場のない気持ち
正行がデリヘルを自宅に呼んでいた事実を知った、佳奈子。理由は「実母を亡くし、寂しかった」と言うものでした。正行の寂しさは理解できるものの、他に方法はなかったのかと、佳奈子は頭を抱えます。
正行の苦悩や寂しさを理解し、寄り添おうとしている佳奈子の姿は、夫を愛する気持ちが伝わってきますね。行き場のない気持ちを抱え、佳奈子は自分自身を責めてしまいます。
相手を思いやり、理解しようと努めることは大切ですが、自分自身の心も大切にしてほしいですね。佳奈子が気持ちを一人で抱え、つぶれてしまわないことを祈るばかりです。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています
記事作成: hoi
(配信元: ママリ)

