距離感のおかしいママ友と本格的に距離を撮り始めたれいこ。しかしそんなれいこに対し、ママ友は直接ではなくSNSから嫌がらせを仕掛けてきて…。
SNSにまで執着し始めるママ友
しかし、あけみさんは私の変化に敏感に気づいたようです。 ある日の夜、何気なくスマホでSNSを眺めていた時のことです。あけみさんのアカウントがタイムラインに流れてきました。そこには、真っ黒な背景に白い文字だけで、こう書かれていました。
「せっかく遊んであげようとしてるのに、居留守とか信じられない。私のこと避けるなんてひどい。裏切られた気分」
心臓がドクンと跳ねました。名前こそ書かれていませんが、間違いなく私のことです。 さらに投稿は続きます。
「引っ越してきて友達いないから構ってあげてたのに。恩知らずな人っているんだなー。こっちは親切心でやってるのに、性格悪すぎ」
画面をスクロールする指が震えました。あけみさんの中では、朝の6時に押し掛けることも、延々とおしゃべりに拘束することも、すべて「親切」であり「遊んであげている」ことになっていたのです。そして、私のささやかな抵抗は「裏切り」と映っているようでした。 胃液が逆流してくるような不快感を覚えながらも、私はこれ以上誤解されたまま陰口を叩かれるのは耐えられないと思い、勇気を出してあけみさんに電話をかけました。
数回のコールの後、あけみさんは明るい声で出ました。
「あ、れいこさん? 久しぶりー! 最近会えないねー?」
SNSの投稿とは裏腹なあまりにも普通なトーンに、私は一瞬言葉に詰まりましたが、勇気を出して尋ねました。
「あ、うん……ごめんね、最近ちょっとバタバタしてて。あのね、あけみさんのSNS見たんだけど……あの投稿、もしかして私のこと?」
しらばっくれられた上に、嫌がらせは止まらない
私は単刀直入に聞きました。すると、受話器の向こうで少しの間があり、あけみさんは笑いを含んだ声で答えました。
「えー? 何のこと? れいこさん、自意識過剰じゃない? 違うよー。別の友達のこと!」
「……そうなんだ。それならいいんだけど」
「っていうか、れいこさん私のSNS見てくれてるんだー! うれしいなー。やっぱり私たちのこと気にしてくれてるんだね!」
その言葉を聞いた瞬間、私は悟りました。あけみさんは、私に構ってほしいだけなのだと。私が自分の投稿を見て動揺し、連絡をしてきたこと自体を楽しんでいるのです。 「違うけど」と言いながらも、その声色は明らかに私が反応したことを喜んでいました。
私はどっと疲れを感じ、「そっか、勘違いしてごめんね」と言って電話を切りました。 電話を切った後も、モヤモヤとした感情は消えるどころか、より一層濃くなって胸の内に居座りました。彼女にとって私は、暇つぶしの道具であり、自分の承認欲求を満たすためのターゲットでしかないのかもしれません。
それ以来、私はさらに意識して距離を置くことを決意しました。何を言われても反応しない。関わらない。それが一番の防衛策だと思ったのです。
しかし、あけみさんの攻撃は止まりませんでした。 SNSには連日、私への当てつけとしか思えない投稿が並びました。

