「きょうだい児」たちが抱える悩みは人それぞれ。障害者の妹を持つ女性を描いた話題作【著者に聞く】

「きょうだい児」たちが抱える悩みは人それぞれ。障害者の妹を持つ女性を描いた話題作【著者に聞く】

「特別な人たちの話ではない」見えないところで頑張ってきた全ての人に伝えたいこと


――取材・執筆をする前のきょうだい児に対するイメージと、作品を描き上げた今現在の思いでは、どのような変化がありましたか?

うみこさん:取材前は、SNSや投稿された体験談を読む中で「きょうだい児の多くは辛い思いを抱えながら、その気持ちを隠して日常を送っているのではないか」と考えていました。けれど、実際に当事者の方々とお話をすると、悩みがある方もいらっしゃる一方で、障害のある兄弟姉妹と良好な関係を築いている方も多く、抱える思いや環境は本当に人それぞれなのだと痛感しました。

そのため、「きょうだい児」という枠で一括りに語ることの難しさを強く感じ、物語としてどこを切り取るべきか非常に悩みました。ただ、取材を通して出会った“普段は言葉にしづらい本音”や“しんどさ”は、作品として丁寧にすくい取りたいとも思いました。
読者の方たちから寄せられたご感想を拝見して、そうした思いや背景が伝わっていたことを感じ、描き終えた今はとても安心しています。


『妹なんか生まれてこなければよかったのに きょうだい児が自分を取り戻す物語』より
『妹なんか生まれてこなければよかったのに きょうだい児が自分を取り戻す物語』より / (C)うみこ/飛鳥新社

――この先、描いてみたいテーマや挑戦してみたいことなどあれば教えてください。

うみこさん:福祉業界で働いていた経験を活かして、 福祉業界の啓発活動をしていきたいという思いがあります。漫画を通して分かりやすく表現していきたいです。

他には、自分が愛媛の田舎で暮らしているので、田舎の暮らしを描くなど、もっと田舎の仕事を増やせるような活動が出来たらと思います。あと、ダイエット漫画も興味があります。全然成功しないので(笑)。ごはんの漫画を読んだりするのがめちゃくちゃ好きなので、需要があればごはん漫画も描いてみたいです!

――最後に、読者へのメッセージをお願いします。

うみこさん:きょうだい児についての作品を描きながら、取材を通して多くの方の言葉に触れ、あらためて、家族の形はひとつじゃないと感じました。この作品は、“障害のある兄弟姉妹をもつ人”をテーマにしていますが、特別な人たちの話ではありません。誰もが家族の中で何らかの役割を担い、互いを思いながら生きています。人には言えない深い悩みや痛みを抱え続けてきた気持ちをそっと受け止められるような作品を、これからも描いていけたらと考えています。

この本を読んでくださる方が、「自分の家族をもっと大切にしたい」と思ったり、「誰かの優しさに気づけた」と感じてくださったりしたら、それが何よりうれしいです。そして、“きょうだい児”という存在を通して、見えないところで努力を続けてきたすべての人に、「どうか自分を一番に大切にしてください」とお伝えしたいです。

* * *

「これは“特別な人たち”の話ではなく、みんながどこかに共感できる話を描きたかった」と語ってくれたうみこさん。他者を思いやる気持ちに光を当て、“自分を大切にしていい”という優しいメッセージを届けてくれる一冊です。


取材・文=宇都宮薫
配信元: レタスクラブ

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