(1)冬こそ真価を発揮する“焚き火のぬくもり”
■冬キャンならではの焚き火活用法
近頃は「冬こそキャンプのオンシーズン」と語る人も増えている。夏キャンプのつもりで無防備に出かけるとひどい目に遭うが、ちゃんと寒さ対策を講じれば、魅力的なキャンプになるだろう。
今回は冬キャンプでの焚き火の活用法を見ていこう。
風防で炎のぬくもりを無駄にしない
頬をなでるわずかな風でも寒さがこたえる。顔あたりまでカバーする焚き火用風防は、風が焚き火にも人にも直接あたりづらく、熱が逃げにくいのでぬくもりをとことん利用できる。

耐熱温度500℃のファイバーグラス生地両面にシリコンコーティングを施した焚き火用風防。幕の高さが90cmで、ローチェアに座ると頭まですっぽり。コンパクト収納なのもいい。
煮炊きしつつ暖を取る
焚き火のパワフルな熱を生かさない手はない。がっしりゴトク付きの焚き火台を用意し、ゴロゴロの肉や野菜を火にかける。ぬくもりながら見守るだけで焚き火料理が完成だ。

大型ゴトクと分厚い鉄網付きで大鍋からシェラカップまで対応するのが頼もしい。薪ストーブみたいにじんわり広がるぬくもりと炎を眺めながら焚き火料理を楽しもう。
焚き火で何ができる?①バーナーの代わりに煮込み料理

寒冷地用のガス缶は夏用よりも高額で、数十分煮込むような料理に使うのはためらってしまう。その点、焚き火ならあたたまりながらじっくり煮込めて一石二鳥なのだ。
焚き火で何ができる?②酒肴をつまみながら手足をあたためる

LOGOS グレートたき火グリルに鉄板を載せて、ちびちびつまむのが最高。酒が冷えたらシェラカップごと火にかけ、体の中と外からあたたまろう。
焚き火で何ができる?③焚き火で常時湯を沸かしておく

焚き火台にケトルをかけておけば、常に湯を確保できる。熱々の湯は飲み物に使えるほか、石けんでは落としきれない油汚れを流す、少し冷まして足湯にするなんてことにも使えて便利。
■焚き火の基本(時間割)
焚き火の準備から着火、焚き火の利用、そして消火へと至るのが焚き火の時間割だ。
では、段階ごとに具体的な注意点を見ていこう。
①火口集め・焚き付けの準備

キャンプ場探検がてら、火口(ほくち)と焚き付けを集めに出発。
秋冬キャンプ時は、初心者はちょっと多めに用意しておくと安心だ。
②薪を組んで着火
少しずつ太い薪を加えていく方法もあるが、あらかじめ薪を組んで着火すれば太い薪がどんどんあたたまるし、寒い時期でも熱をためやすい。
③熾きになるまで30〜40分
気温が低いと、安定した熾きになるまでは結構時間がかかる。
夏であっても調理をはじめる20〜30分前、冬や雨の日なら30〜40分前には焚き火をはじめるとスムーズ。
④調理向きの熾きになる

はじめに組んだ薪に、状態を見ながら焚き付けや細い薪を追加して火を育てていく。
熾きになったら料理と焚き火を楽しもう。
⑤最後の薪をくべる
焚き火を楽しんだら、就寝や撤収の時間にすべての薪が灰になるようコントロール。
薪と薪の距離を離すと早く消火できることも知っておきたい。
⑥消火まで針葉樹は60分・広葉樹は90分
焚き火の組み方、薪の種類と量、風の有無など条件によって異なるが、消火には時間がかかるので、少なくとも就寝・撤収の1時間前から焚き火しまいの準備に取りかかりたいものだ。
⑦消火を確認
薪が燃え尽き、素手で触れられることを確認。
灰になっても焚き火台は熱いままのことがあるので冷えるまで、やけどには十分注意したい。
⑧完全に火が消えてから就寝

全体に灰になったように見えても、風を送ると赤い種火がちらほら。これでは火災の危険がゼロではない。
ファイヤースターターのわずかな火から焚き火を生むように、小さな火も侮ってはダメ。
⑨火種が残っているなら一本ずつ水に浸ける

片付けしたい場合はバケツにたっぷり水を張り、薪を1本ずつ浸して消火。焚き火台に水をかけるとギアが傷むので×。
■上級キャンパーオススメの焚き火台
長い年月、焚き火を楽しんできたGARVY連載陣たちは、どんな焚き火台を愛用しているのだろうか。
数ある所持品のなかで「いまはこれがベスト!」と思う焚き火台とその理由を語ってもらった!
A-sukeの〈ファイヤーサイドアウトドア〉ポップアップピット

【A-suke プロフィール】
アウトドアカフェ「BASE CAMP」店主。本誌にて数々のレシピを紹介!
チュンチュンさん(アウトドアコーディネーターの小雀陣二さん)が使っているのを見て即購入。
とにかくファイアースペースがデカいのがいい。

アルミのボディなので焚き火自体を大きくできるわけではないが、真ん中で焚き火をしてその横にやかんを置くなどが可能で、何とも言えない直火感があるのだ。
長野修平の〈ベアボーンズ〉ファイヤーピットグリル

【長野修平 プロフィール】
ネイチャークラフト作家、野外料理人。本誌にて「長野修平のこもれびクラフト工房」を連載。
焚き火台に最も求めることは、炎で料理がしやすいこと。
そんな焚き火台を長年探し続けてきても見つからず。
直火ができるフィールドだけが理想の焚き火場だった。
ところが最近出会ってしまったこのベアボーンズのファイヤーピットグリル。
74cmのボウル状の火床はワイドに火を焚くことができ、付属ハンガーバーで自分の定番調理の焚き火ベーコンが簡単に吊るせる。

昇降式の網では直火ローストビーフやスキレット調理。
火床では12インチダッチオーブンで調理しつつ、大きな鍋やケトルで湯も沸かせる。
アジャスタブルレッグを付けると立ったままでそれらすべての調理が可能。
長く太い丸太薪も入り、放っておいても数時間火が消えることがない。
まるで大きな直火をローとハイの両方でできるという魔法のグリルであり焚き火台だ。
森勝の〈ソロストーブ〉ライト

【森勝 プロフィール】
低山小道具研究家。愛称はモリカツ。
本誌「キャンプギア研究室」にて、こだわりまくりの独自目線でギアを紹介!
大きな炎が好きな人もいれば、チロチロと小さな火が好きな人もいる。
熾で料理を作るのが好きな人もいれば、ただ炎を眺めるのが好きな人もいる。
私の場合は完全燃焼が好き。
子どもの頃は燃えるゴミを完全に燃え尽くすことが仕事だったのでその名残り。
このソロストーブは二重になった壁で空気を熱して二次燃焼を促進し、完全燃焼が容易にできる。
煙もほとんど出ないウッドストーブだ。
ソロクッカーに収まり、組み立ていらずで出すだけで使える手軽さもいい。
歩きながら小枝を拾い、河川敷などで炎を見ながら湯を沸かし、ご飯を作って帰るだけのデイキャンプ&ハイキングのときに活躍する。
トヨタ白川郷自然學校の〈スノーピーク〉焚火台L

【トヨタ白川郷自然學校 プロフィール】
岐阜県白川村の雄大な自然を生かしたアウトドア体験を提供する自然學校。
その模様は本誌連載「白川郷フィールドノート」にて。
トヨタ白川郷自然學校のナイトプログラムやキャンプで、夜のすてきな時間を演出をしてくれます。
冬も雪の上で大活躍。

安定感がある本体の上に付属のグリルガードを使うと、焚き火の火でダッチオーブンやクッカーでアウトドアクッキングも楽しめる優れモノ。
小さい子どもたちとの「初めての焚き火」レッスンでも活躍してくれています。
出典/ガルヴィ2022年10月号
(2)満天の星をじっくり楽しむ“冬の星空観察”
■満天の星を静かに見上げるというぜいたく
冬は暗くなるのが早いので、夕飯を食べるころにはもう真っ暗。
でも星空を眺めるには、早く真っ暗になってくれたほうが好都合だ。

シュラフに入ってコットで星空観察する予行演習。これなら首が痛くならず長時間見ていられる。

寒いと長時間見ていられないので、帽子や手袋、ネックウォーマーなどの防寒小物も準備。

双眼鏡があると肉眼では見えにくい星を見ることができる。
日中は野鳥観察や景色を楽しむこともできる。

星座の位置が簡単にわかる無料のスマホアプリもあるので活用してみよう。
冬の夜空で見つけやすい星座は「オリオン座」。
等間隔に並んだ3つの星と、それを囲むように四角形を作る明るい星が目印の星座だ。
夕方になると東の空からのぼり始め、南の空を通って西の空へと傾いていく。

各スマホに搭載された「ナイトモード」「夜景モード」「天体撮影モード」などで撮影を行えば星空を撮影できる。
このようなモードがないスマホでも、マニュアルモードが搭載されていればマニュアル撮影を行おう。
各モードもマニュアルモードも搭載されていなければ、星空撮影用のカメラアプリをインストールすれば撮影は可能だ。
ただし、どのような撮影方法でも、三脚とそれに固定するスマホホルダーは必需品となるので準備しておこう。

写真中央より少し右下に明るく輝く星がおうし座の「アルデバラン」。
そこから左に見えるふたつの星が牡牛の角に当たる。
アルデバランの上にある星の集まりが「すばる」だ。
ただ星空を眺めているだけでも楽しいけれど、こんなことを覚えていると、より一層星空観察が楽しくなる。
都会ではなかなか見られない満天の星。ちょっと夜更かししてしまいそうだ。
■星空観察におすすめのアイテム
冬キャンプの楽しみと言えば星空観察。でも、初心者にはよくわからないことも多いだろう。
そこで星空観察を楽しむためのアイテムを編集部が紹介しよう!
天体望遠鏡や双眼鏡などを扱うメーカー「ビクセン」は、星空観察を楽しむためのアイテムを豊富にリリースしている。

星座早見盤
日付の目盛りと時刻の目盛りを今の日時に合わせると、見える星座を窓の中に表してくれるグッズ。
写真は「星座早見盤for宙ガール(キャンプ)」(オープン価格)。

双眼鏡
手ぶれしにくい8倍がおすすめ。口径は大きいほど明るく星が見やすいが、高価になる。
写真は「アトレックⅡ HR8×32WP」(3万3000円)。

コンパス
初めての場所でも方角がすぐにわかるので、星座を探すときに便利。
オイル式は針がふらつかず扱いやすい。写真は「LEDコンパス」(オープン価格)。

赤色ライト
明るいライトを使うと星が見えにくくなってしまうので、目の暗順応への影響を少なくする赤色ライトが便利。
写真は「天体観測用ライトSG-L02」(6050円)。

ビクセンの「ナイトビジョンライト」は、スマホ画面が赤色ライト代わりになるアプリ。

