ママ友への抗議をSNSに書いてしまったれいこ。そんなれいこに対し怒りをあらわにするママ友は、とんでもない形で嫌がらせを開始してしまう…。
自分のことは棚にあげて責めてくるママ友
「……もしもし」
「ちょっと、あの投稿何なの? 私のこと?」
開口一番、あけみさんの声は怒りに満ちていました。以前の猫なで声とは全く違う、ヒステリックな響きでした。
「……違うよ。一般論を書いただけ」
私は以前あけみさんが使った手口をそのまま返しました。
「嘘つかないでよ! タイミング的に私のことでしょ!? ひどくない? 私がいつ当てつけなんて書いたのよ!」
「あけみさんこそ、私のこと書いてたじゃない」
「はあ? だから違うって言ったでしょ! 被害妄想もいい加減にして!」
話が通じる相手ではないことはわかっていましたが、これほどまでに自分の非を認めず、相手を攻め立てることができる神経に、私は恐怖すら覚えました。
「もういい。話にならないから切るね」
私は一方的に電話を切りました。心臓が早鐘を打ち、手足が冷たくなっていくのがわかりました。
ついに子どもまで巻き込んできて、怒りの限界!
それから数分後、あけみさんのSNSが更新されました。 そこには、私がさっき削除したはずの投稿のスクリーンショットが貼られていました。
「これ、私の悪口だよね? ひどくない? 仲良くしてあげてたのに、裏でこんなこと書くなんてさ。人間性疑っちゃうな~」
あけみさんは、私が削除する前にスクリーンショットを撮っていたのです。そして、自分のこれまでの嫌味な投稿は棚に上げ、私を加害者に仕立て上げて被害者面をしていました。 私はすぐに「画像を削除して」と言おうと電話をかけましたが、繋がりませんでした。メッセージを送ろうとしても送信できません。
すべての連絡先をブロックされていたのです。 私は目の前が真っ暗になりました。あけみさんのフォロワーの中には、幼稚園の他のママさんたちもいるはずです。この画像だけを見れば、私が一方的にあけみさんを攻撃しているように見えるでしょう。 ショックで、その夜は一睡もできませんでした。
しかし、あけみさんの復讐はSNSの中だけでは終わりませんでした。 翌日から、あけみさんの態度は露骨に変わりました。 道でばったり会っても、プイと顔を背けて無視をするのです。 家族ぐるみのお出かけ中に会っても、夫には夫婦であいさつするのに、あけみさんは私のことを見もしません。
夫は「どうかした?」と聞いてくれましたが、私は夫に心配をかけたくないという思いと、説明するのが面倒だという気持ちが入り混じり、「うーん、ちょっと疲れてたのかも」と曖昧に答えるしかありませんでした。
しかし、事態はもっと深刻な方向へ進んでいきました。 ある日、息子が幼稚園から帰ってくると、悲しそうな顔で言いました。
「ママ、今日ね、よしみ(あけみさんの娘)ちゃんに遊ぼうって言ったら『ママが遊んじゃダメって言った』って言われたの」
私は言葉を失いました。大人のもめ事を子どもの世界に持ち込み、あまつさえ自分の娘に私の息子の排斥を命じているなんて。罪のない子供を巻き込むことだけは許せませんでした。
(もう、黙っているわけにはいかない)

