「ダイエットに大切なのは生活習慣を見直すこと」とよく耳にしますが、「具体的に、何を見直せばいいのか?」と、悩んでいる人も多いかもしれません。ここではダイエット治療のプロである肥満外来がどのように生活習慣の見直しをサポートしているか解説します。「中島内科クリニック」の中島先生に教えていただきました。

監修医師:
中島 茂(中島内科クリニック)
横浜市立大学医学部卒業。その後、藤沢市民病院、横浜市立大学医学部附属浦舟病院(現・横浜市立大学附属市民総合医療センター)内科部長、横須賀共済病院内科部長・栄養管理科部長を務める。2003年、神奈川県横須賀市に「中島内科クリニック」を開院。
編集部
肥満外来は、予防医療としての側面もあると聞きました。どういう意味でしょうか?
中島先生
予防医療とは、「病気になってから治療をする」のではなくて、「病気を発症しないように予防する」ことを目的とした医療のことを言います。予防医療を講じることで、QOLを向上させたり、慢性疾患を予防できたり、健康寿命を長く伸ばしたりといった効果が期待できます。肥満外来での治療も「痩せる」「体重を落とす」ことだけを目的にするのではなく、肥満を原因として発症する疾患の予防を目的としています。そのため、肥満外来での治療は予防医療の側面を持っているのです。
編集部
肥満を原因としてどのような疾患を発症するリスクがあるのですか?
中島先生
肥満と関係が深い疾患に、生活習慣病があります。生活習慣病とは高血圧や糖尿病、脂質異常症など、生活習慣が発症や進行に関係する疾患の総称です。生活習慣病は自覚症状がなく、放置すると命のリスクになることがあります。そのため、予防と早期発見に努めることが必要なのです。
編集部
ダイエットをすることで生活習慣病を予防することができるのですか?
中島先生
生活習慣病は食事、運動、喫煙、飲酒、睡眠など日常的な行動と深い関わりを持っています。無意識に積み重ねたそれらの行動が、生活習慣病の原因となることが多く、また、生活習慣病を1つ発症するとほかの病気を合併することもあり、次々と病気を抱えるようになってしまいます。そのため、生活習慣病の根源である食事や運動などを見直すことが、予防のためには必要なのです。
編集部
現在、肥満や高度肥満の人でも、すぐに肥満外来で治療を始めれば予防の効果は期待できるのでしょうか?
中島先生
医療機関によって異なりますが、多くの肥満外来ではまず、メディカルチェックをおこなって、現在の医療データを収集します。当院のように糖負荷試験をおこない、さらに詳細に肥満の原因を探る医療機関もあります。これらの検査で生活習慣病が見つかればすぐに治療を始めることができますし、未病の段階でも発症の兆候があればすぐさま手を打つことができます。生活習慣病は、放置すればするほど進行していく疾患で、自然に治癒することはありません。ぜひ、肥満に悩んでいる人は一度肥満外来に相談していただければと思います。
編集部
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
中島先生
肥満外来は予防医療に重要とはいっても、実際のところダイエットを教科書通りに進めるのは困難でしょう。ライフスタイルや嗜好性、価値観などは人によって異なるため、通り一遍ではダイエットを進めることができません。そこで大事なのが「なぜ痩せたいのか」という動機です。私は長年の経験から、動機はリアルで具体的な方がいいということを実感しています。例えば「痩せて健康になりたい」よりも「痩せてモテたい」「綺麗になって好きな人に告白したい」などの動機の方が、ダイエットは長く続くものです。私たちは、こうした動機をカウンセリングで一緒に考えており、動機が明確になればダイエットも進めやすくなります。はじめの一歩が肝心なので、ぜひ肥満で悩んでいる人は肥満外来にご相談いただければと思います。
※この記事はメディカルドックにて<肥満が気になる人必見! 無理なく効率的にダイエットするコツを医師が解説!>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
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