●景品表示法で考えてみる
景品表示法は、事業者が自己の供給する商品または役務(サービス)の取引について行う不当表示を規制するものです。
「バキ童」というのはあくまでも、街頭インタビューでの本人の発言(「バキバキ童貞です」)を元につけられた愛称であり、その商品やサービスにつけられた名前ではないため、景品表示法は適用されないはずです。
真面目に回答するとこうなりそうですが、今回はいったんそこを乗り越えて、「バキ童」という名称が、YouTubeチャンネルの名前となっており、提供されるエンターテインメント(サービス)の取引について行う品質を表示している、と強引に考えたらどうなるかを検討してみます。
なお、個人の名称使用について景品表示法との関係が問題になったなどの裁判例や、問題となると説明されている専門書は発見できませんでした。
●「優良誤認」といえるのか?
不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)第5条第1号は「優良誤認」表示を禁じています。 これは、商品やサービスの内容が、実際のものよりも「著しく優良である」と一般消費者に誤認させる表示を禁止するものです。
しかし、「童貞」と表示しておきながら「交際中」であることは、「著しく優良」と示したことになるのでしょうか?
一般的には、成人男性にとって「童貞」という表示はマイナスのイメージを想起させるものであり、「優良」誤認表示とはいえないように思えます。
しかし、一部の熱烈なファンにとっては「童貞であること」こそが重要かつ優良な品質(ブランド価値)であるわけです。
「バキ童」という表示により、「童貞という価値のある属性を提供するコンテンツ」であると表示しているのだ、とあえて考えるのであれば、「著しく優良である」と消費者を誤認させるような表示といえなくもないのかもしれません‥。

