
町田啓太、菅生新樹、伊藤淳史、藤原丈一郎の4人が主演を務める連続ドラマW 池井戸潤スペシャル「かばん屋の相続」(WOWOW、全4話)の第4話が12月28日夜11時に放送・配信された。同話では、老舗かばん屋の相続をめぐって対立する兄弟の争いに、融資担当の信金マン・太郎(藤原)が切り込んでいく様子が映し出された(以下、一部ネタバレを含みます)。
■池井戸潤原作、オムニバス形式で描かれる「連続ドラマW 池井戸潤スペシャル『かばん屋の相続』」
小説家・池井戸潤による短編小説をドラマ化し、4人の働く男たちによる倒産や借金、不正、争いなど、中小企業の融資にまつわる葛藤・苦悩を、1話完結のオムニバス形式で展開していく連続ドラマW 池井戸潤スペシャル「かばん屋の相続」。
第4話「かばん屋の相続」で主演を務めるのは、アイドルグループ・なにわ男子で活躍する藤原丈一郎。最近ではドラマ「ペンディングトレイン―8時23分、明日 君と」や『恋する警護24時』シリーズなど、俳優としても頭角を現している。そして「連続ドラマW 池井戸潤スペシャル『かばん屋の相続』」第4話では、松田かばんの相続問題に対峙する湊信用金庫上町支店の職員・小倉太郎を力強く演じている。
さらに、専務として松田かばんを支えてきた松田家の次男・松田均を中尾明慶が、家業を嫌い大手銀行に勤めていた松田家の長男・松田亮を青柳翔が熱演。そのほか、松田かばんの常連客で第1話の冒頭にも登場した謎の男役として石丸幹二も出演する。
■家業に関心のなかった長男がなぜか後継者に…遺言状が波乱を呼ぶ第4話「かばん屋の相続」
松田かばんの社長・松田義文(山田明郷)が急逝したとの知らせを受け、融資を担当する湊信用金庫上町支店の太郎(藤原)は葬儀に参列した。社長の息子は兄・亮(青柳)と弟・均(中尾)の2人。亮は家業に関心がなく、大手銀行勤めのサラリーマンとしての道を歩んでいたため、これまで専務として会社を支えてきた均が後継者になることが予想された。
しかし、葬儀後に太郎が松田かばんを訪れると、均の妻(岡本玲)から耳を疑うような話を聞かされる。先代の遺言状には、“全株式を長男の亮に相続させる”といった内容が書かれていたというのだ。実際、“亮は株だけもらって社長業は専務の均にやってもらう”という方法もあったが、どうやら亮は勤務先のメガバンクを辞めて、自分が松田かばんを継ぐと宣言したそう。それによって、兄弟間に大きな亀裂が生じてしまったのだった。
結局、均は身内同士の争いを避けすべての相続を放棄し、亮が松田かばんの社長を継ぐことに。人件費を削って機械で大量生産を図ろうとする亮のやり方は、品質やブランドを重視した均の考え方と合わず、均は松田かばんを辞めて自らかばん屋を創業した。
その後、社長に就任した亮は突然湊信用金庫に現れ、“1億円”という巨額の融資を求めてくる。先行きがどうなるかわからないため、すぐには返事が出せない状況の中、かなり上から目線の物言いで「無理なら他行で頼みますよ」と告げる亮。あまりにも傍若無人な振る舞いに、太郎も怒りが込み上げてくるのだった。
そんな中、松田かばんと付き合いのある大手代理店が不渡りを出す事態が発生。さらに、その会社の借金を松田かばんが保障する契約が結ばれていたことが判明する。そこで再び湊信用金庫を訪れた亮は、「このままでは預金が取られてしまうので、相殺通知が届く前に(預金を)払い出してくれ」と申し出る。当然、湊信用金庫側は亮の無茶な要望を拒否。すると亮は逆ギレし始め、収集がつかない状況になってしまう。すると、そこに突然均が姿を現し――。


■視聴者の気持ちを代弁するような太郎の言動…藤原丈一郎の熱演に注目
第4話「かばん屋の相続」では、松田かばんの先代や均に寄り添い、納得のいかない出来事には真っ向からぶつかっていく太郎のまっすぐな人柄が描かれていた。
遺産分割協議により、遺言状通り亮がすべてを相続することに決まった際、「仕方ない」と諦めた様子を見せる均。それに対し、太郎は「どうしてもっと争わないんですか?」とまっすぐ疑問をぶつける。また、亮とともにメガバンクからやって来た新しい専務に「金のために何でもするような人を応援する気にはなれない」などと、自分の立場を顧みず苦言を呈するシーンも。
そんな太郎の言動からは、先代の大らかで思いやりにあふれた人柄や、現場でかばん作りに魂を燃やす均へのリスペクトが伝わってきた。まるで視聴者の気持ちを代弁しているかのような太郎の表情や発言によって、より感情移入しやすいエピソードに仕上がっている。
また、思わず応援したくなるような優しい人柄の均と、悪役のような振る舞いを魅せる亮の対比も見どころの一つ。亮と対立する中で、均は「昔の兄貴はそんなんじゃなかった」と嘆き、松田かばんをバカにしたような発言をする亮に対しても情を覗かせている。さらに、均は突如窮地に立たされた亮に救いの手を差し伸べようとする場面も。こうした正反対の2人を描くことで、均の魅力がいっそう際立ち、“なぜ先代は亮に会社の株を相続させる遺言状を残したのか”という疑問をより強く抱かせる要素となっていた。
遺言状をきっかけに、血を分け合った兄弟の関係性にひびが入ってしまう第4話。物語が進むにつれて明かされる意外な真実は興味をそそり、ラストには感動的なシーンも描かれている。「かばん屋の相続」は、まさに池井戸作品の魅力が詰まった物語と言えるだろう。


