結び手(Musubi-Te Foundation)は12月26日(金)、インド・ビハール州ガヤ県のSundariya Nagar(スンダリヤ・ナガル)を訪問し、村人・子どもたちとの対話および現地状況の確認を踏まえ、2026年年明けより基礎教育活動を開始することを決定した。
村の子どもたちとの対話を通して現地状況を確認
結び手は12月26日(金)、ビハール州ガヤ県の村Sundariya Nagarを訪問し、村人および子どもたちと対話を行った。同村の住環境は脆弱で、最低限の生活資源へのアクセスも限られている。
また、村のカーストはManji(ダリット)であり、住民からは「本来受けられるはずの支援が、申請段階で止まってしまう」「支援制度の利用に関して萎縮が起きている」といった声があった。
教育課題と医療アクセスの課題の両方が浮き彫りに
確認された教育課題(現地での観察・聞き取り)は、公立学校は存在するものの、学習到達度が極めて低いこと。また、通学している子どもの中でも、小学5年生でヒンディー語が小学1年生レベルで読める子が1割以下に限られる。
1+1がわかる子供が1人もいないなど、算数を含む基礎学力が成立していないことも教育課題として見られた。多くの子どもや親が「分からないことを分からないままにする」「そもそも学校に行っても教えてもらえないから期待もしない」状態が固定化してる。
結び手は、教育を「知識」だけでなく、情報にアクセスし理解し、生活を守る力(ライフスキル)の土台と捉えている。読み書き・計算ができないことで、制度や権利、金利や契約といった社会の仕組みから排除され、搾取や不利益が温存されやすくなる。
医療アクセスの課題もある。住民からは「約5km先に私立病院があるが、費用負担が大きく利用が難しい」や「約10km先に政府の病院があるが、長蛇の列で当日診療が叶わないこともある」など、医療面でも強い制約が語られた。
教育と医療は相互に関連し、病気やケガが家計と学びを同時に奪うことがある。結び手は、まず教育の基礎を整えることで、家庭が将来に向けた選択肢を持てる状態を目指す。
