年末年始、体調不良で救急外来を利用するべきかどうか悩む人も多いでしょう。今回は、救急外来を利用すべきケースや緊急時の対処法について「高輪みつるクリニック」の髙橋先生に解説していただきました。

監修医師:
髙橋 充(高輪みつるクリニック)
2012年、獨協医科大学医学部卒業後、横浜市立大学附属市民総合医療センターや武蔵野赤十字病院救命救急科、中村記念病院脳神経外科で経験を積み、2022年8月、東京都港区高輪に「高輪みつるクリニック」を開院、院長となる。日本救急医学会救急科専門医、日本医師会認定産業医、日本集中治療医学会集中治療専門医、日本頭痛学会頭痛専門医。日本脳神経外科学会、日本脳神経血管内治療学会、日本アレルギー学会所属。
編集部
「こんなことで救急外来?」と、病院の人に迷惑がかからないか心配です。
髙橋先生
患者さんが、自分の症状をどれほど重症なのか判断することは難しいと思います。いわゆる「風邪(ウイルス性上気道炎)」も、医師からすれば正直軽症の病態と言えるかもしれません。しかし、実際に自分や自分の子どもが風邪をひいて高熱を出して辛い時、手元に解熱剤などの薬がない場合などは救急外来を受診したくなることもあると思いますし、実際に、「この程度で受診したらダメだ」と様子を見ることで、症状が悪化し、重症となって取り返しのつかない状態で搬送されてしまう人もいます。同じ症状や病態に対しても、医学知識のある医師と医学知識がほとんどない患者さんの持つ感じ方には差が生まれます。そのような差を埋めて、患者さんに安心と安全を提供するのも救急外来の役割なのです。
編集部
「ほかの重症者の対応が遅くなってしまったら……」と思うと不安になります。
髙橋先生
多くの救急外来には「トリアージ」と呼ばれる業務があります。もともとは災害発生時などに多数の傷病者がいた場合、疾患の緊急度や重症度に応じて治療の優先度を決定することですが、非災害時でも多くの救急外来でそういったことは行われており、決して先着順ではありません。自分や目の前の人が救急車を呼んだ方が良さそうな状況である場合は、周りの心配をするよりも、早急に医療機関にかかることを考えてあげてください。
編集部
あらためて、どのように緊急時の体調不良と向き合えばいいですか?
髙橋先生
「こんなことで救急車を呼んでいいのかな」「夜にこんなことで受診して迷惑じゃないかな」といった不安を感じたことがある人もいると思います。救急医療に従事していた私としては、そんな風に医療者や周りの方のことを少しでも考えてくださるだけで、本当にありがたく思います。そのような状況を少しでも改善させるための一つの提案として、地域のかかりつけの先生とよく話をすることをお勧めします。自分や家族が、どのような時には救急車を呼ぶべきなのか、救急外来を受診すべきなのかを前もって聞いておくと良いでしょう。かかりつけの先生は患者さんと長く接してきて、様々なことを知っています。想定されるリスクなどもわかると思いますので、受診したときに相談しておきましょう。
※この記事はMedical DOCにて《【医師解説】救急車を「呼ぶ・呼ばない」の判断はどうすればいい? 他の重傷者に迷惑?》と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。

