いつ・どこに相談する? 早期歯科介入のそのほかのQ&A
編集部
子どもの歯並びに不安のある場合、どのタイミングで歯科医院を受診するとよいでしょうか?
櫻木先生
早期歯科介入は時期を逃すとできない治療もあるため、できるだけ早い時期に受診することが大切です。目安としては幼稚園から小学校入学前、遅くとも7歳ごろまでに一度相談してみることをおすすめします。この時期に「いつから始めればよいのか」「何歳ぐらいまで待てばいいのか」などのアドバイスを受けておけば、お子さんにとって最適なタイミングに治療を開始することができます。
編集部
その場合、どのようなクリニックを受診するとよいでしょうか? 歯科医院選びのポイントを教えてください。
櫻木先生
まずは、「子どもの患者さんが多く通っているか」が大きなポイントです。小児の症例を多く扱っている歯科医院は、成長段階に合わせた判断や対応ができます。くわえて「矯正治療の症例数がどれぐらいあるのか」「カウンセリング時に丁寧に説明してくれるか」も重要なポイントです。さらに、お子さんの場合は「通いやすさ」も大切です。月に1回程度の通院が必要になることもあるため、自宅から近くアクセスのよいクリニックを選ぶと通院の負担が少ないでしょう。
編集部
治療を嫌がる・怖がるお子さんに対して、どのような工夫や対応をしていますか? 保護者ができるサポートもあれば教えてください。
櫻木先生
一番は「褒めること」です。子どもは褒めることで自信がつき、少しずつできることが増えていきます。無理に頑張らせるのではなく、「今日はここまでできたね」と小さな成功を積み重ねていくことが重要です。ご家庭でも「よく頑張ったね」と声をかけてあげることで、お子さんが歯医者さんを嫌がらずに通えるようになります。できない場合も焦らずに、時間をかけて慣れさせていくことが大切です。
編集部
最後に、読者へメッセージをお願いします。
櫻木先生
お子さんの歯並びは、成長とともにどんどん変化していきます。そのため、「もう少し様子を見てみよう」と思っているうちに、治療の適切なタイミングを逃してしまうことも少なくありません。お子さんの歯並びに少しでも不安を覚えたら、早めに歯科医院で相談して現在の状態や治療の必要性を知ることが大切です。お子さんの将来のためにも、後悔のない選択をしてもらいたいと思います。
編集部まとめ
「早期歯科介入」は歯をきれいに並べるための土台作りであり、将来の抜歯リスクを減らすことにもつながる重要な治療であることがわかりました。治療には保護者のサポートが不可欠ですが、成長という限られた時間の中でしかできないアプローチがあるのも事実です。お子さんの歯並びに少しでも気になることがあれば、「そのうちに治るかも」と様子を見るのではなく、まずは一度歯科医院で相談してみましょう。

