1年かけて卵から育てた“幼虫”を掘り出したら…… とんでもないビジュアルに「わぁぁお」「本当にすごい!」

1年かけて卵から育てた“幼虫”を掘り出したら…… とんでもないビジュアルに「わぁぁお」「本当にすごい!」

 海外産クワガタを自分でブリードして、卵から幼虫を育ててみたら……。1年後に羽化した成虫の姿が「ロマンですよね〜」「夢ありますね」とYouTubeで話題です。動画は記事執筆時点で、6万9000回以上再生されています。

 動画を投稿したのは、昆虫採集YouTuberのむし岡だいきさん。昆虫が嫌いな人・興味がない人にこそ興味を持ってほしいという思いから、昆虫採取や飼育を楽しむ様子を自身のYouTubeチャンネル「むし岡だいき」で公開しています。以前はうっかり掘り出してしまったクワガタの幼虫をスポンジに入れ、その経過を観察する様子が話題となりました。

 今回は「外国産クワガタの掘り出し」を行っていくとのこと。むし岡さんは昨年の夏~秋頃にギラファノコギリクワガタ、パラワンオオヒラタクワガタ、ニジイロクワガタのブリードを実施。生まれた幼虫たちを、これまで大切に飼育してきたそうです。

 メスは半年くらいでどんどん羽化していたそうですが、オスは1年ほど経過した辺りから羽化を始めているとのこと。そのため今回はオスを中心に掘り出しを行うことになりますが、果たしてクワガタたちは無事羽化してくれているのでしょうか……?

 クワガタの掘り出しを行う前に、むし岡さんはワインセラーの前にやってきました。このワインセラーは0~22度の間で温度を調整することが可能で、早めに羽化したメスの成虫たちはこの中で管理しているそうです。

 実はメスの成虫を25度前後で管理すると、早めに成熟して寿命を迎えてしまうのだとか。そしてオスが羽化・成熟する前にメスの成虫だけが死んでしまう、「羽化ずれ」という現象が起きてしまうのだといいます。そのため少し低温(このときは19度ほど)で管理することでメスの活性を下げて、休ませながら羽化ずれを防いでいるそうです。

 次に幼虫やサナギ、掘り出し待ちの成虫が入っているボトルコンテナの前に移動。コバエがひどいため洗濯ネットで全体をカバーし、コバエを入れない・出さないように徹底しています。

 そしてまずはすでに羽化が確認できている、ニジイロクワガタとパラワンオオヒラタクワガタを見せてくれました。ブリードした3種のうちニジイロクワガタは特に成長が早く、メスは半年ほど、オスも1年も経たずにいいサイズで羽化しているそうです。

 またパラワンオオヒラタクワガタについても、最初の方に生まれたオスはもう羽化していました。残るギラファノコギリクワガタも、続々と羽化が始まっているようです。

 ここでいよいよ、クワガタたちの掘り出しを開始することに。まずは蛹室から出てきていると思われるニジイロクワガタのボトルを掘り出してみると、通常サイズのメスが姿を現しました。

 続いてギラファノコギリクワガタのボトルを掘り出すと、体長がちょうど10センチくらいある、立派なオスが出てきました。小さめのボトルで育てたけれどあごも曲がっておらず、何の問題もなく羽化してくれたようです。むし岡さんはこの「羽化の掘り出しの瞬間」が一番楽しいそうですよ。

 次は大きなボトルで管理してきた、ギラファノコギリクワガタのオスを掘り出すことに。フタを開けた瞬間コバエに襲われつつ掘り出してみると、こちらのボトルからも10センチくらいある、立派なギラファノコギリクワガタが姿を現しました。

 むし岡さんはこれまでに、「ギラファノコギリクワガタは初心者向け」という話を聞いたことがあるそうです。そして今回実際にブリードした結果、菌糸ボトルを定期的に交換するだけで10センチ前後の個体を見ることができて、非常に楽しいと感じたのだとか。11~12センチなどの大型を狙うのであれば話は別だけれど、確かに比較的ハードルが低い種類だと思ったそうです。

 もう1本大きなボトルを掘り出すと、立派ではあるけれど、やや小ぶりなギラファノコギリクワガタのオスが出てきました。どうやら大きいボトルを使ったからといって、必ずしも大きなクワガタになるとは限らないようです。

 ギラファノコギリクワガタの次は、パラワンオオヒラタクワガタの掘り出しをすることに。パラワンオオヒラタクワガタについては大きな幼虫がいたため、10センチ超えが1匹くらいいればいいなと話しながら掘ってみると……なにやらとんでもなく大きな背中が見えてきました。

 もはやクワガタではなく、カメのようにも見える大きな背中の持ち主を掘り出してみると……。とんでもなく大きなパラワンオオヒラタクワガタが姿を現しました。体長はギラファノコギリクワガタと同じ10センチほどだったそうですが、体の幅がある分、とてつもなく大きく見えますね。

 その後もどんどん掘り出していく中で、オスだと思っていたけれどメスだった個体や、蛹化・羽化不全で死んでしまっている個体もいたそうです。またパラワンオオヒラタクワガタについては春の即売会で、お客さんにオスを引いてほしいと思い、オスの幼虫を厳選して販売したため手元のオスの個体がかなり少なくなってしまったのだとか。とはいえ幼虫やサナギはまだまだいるので、今後も掘り出しを行っていくそうです。

 なお今回掘り出したクワガタたちは八王子市北野環境学習センター「あったかホール」(東京都八王子市)の3階・生き物展示室内にある、「むし岡の飼育部屋」というコーナーで展示をしているそうです。また同市内のクワガタ・カブトムシ専門ショップ「KPW」では生体やグッズを販売しているので、気になる人はチェックしてみるとよさそうです。

 動画には、「わぁぁお」「すごい、本当にすごい!」「幼虫から虫を育てるのってロマンですよね〜」「こんなに大きなクワガタたちがゴロゴロ出てくるなんて、夢ありますね」「カメみたいなパラワンすごーい!うちのパラワンも早く羽化して欲しいなぁぁ」といったコメントが寄せられていました。

 むし岡さんは、昆虫の採取や飼育に挑戦する様子をYouTubeチャンネル「むし岡だいき」やX(Twitter/@mushioka_daiki)で公開しています。また、世界で発見・撮影した強烈なインパクトの昆虫を100種以上紹介した著書『むし岡だいきの「世界の昆虫」おった!図鑑』(光文社)が販売中です。

動画提供:YouTubeチャンネル「むし岡だいき」

配信元: ねとらぼ

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