
ライブドアブログ「ゆっぺのゆる漫画ブログ」やInstagram(@yuppe2)で、心に刺さるエッセイ漫画を執筆しているゆっぺさん。最新作「無能クズ上司への逆襲 32歳シンママはブラック職場から逃げ出したい」は、彼女が実際に体験した過酷な職場環境を綴ったものだ。一人娘を持つシングルマザーのゆきが、好条件のスカウトを信じて足を踏み入れた先は、常軌を逸した支配者が君臨する「ブラック職場」だった。
■「俺がルールだ」客にも牙を剥く暴君。豹変した上司の信じがたい本性



元上司の折川から「給料は現在の1.3倍出す」と誘われたゆきは、家族のために転職を決意する。しかし、働き始めると折川の傍若無人な本性が露呈した。スタッフへの日常的な暴言に加え、不手際はすべて他人に押し付ける無責任さ。さらに「俺の店だから俺がルールだ」と言い放ち、あろうことかお客様にまで暴言を吐く折川の姿に、ゆきは深い失望を感じていく。
ゆっぺさんは、折川の非常識な行動は暴言だけに留まらなかったと語る。なんと退職後に支払われた給料が、なぜか減額されていたのだ。ほかの辞めていったスタッフたちも給料の支払いを巡って揉めていた事実に触れ、こうした不正が常習的に行われていた可能性を示唆している。
■誹謗中傷犯の特定と、泥沼のなかで見つけた「最も大切なこと」
作中で最も強烈なエピソードのひとつが、ネットでの誹謗中傷を巡るトラブルだ。ゆっぺさん自身、犯人を特定できたときには「よくわかったな」と自負するほどの衝撃があったという。こうしたパワハラやモラハラが横行する過酷な環境のなかで、彼女が特に注目してほしいと語るのが、里親制度について語る女性のセリフだ。
本編のテーマからは少し逸れるものの、その女性のような在り方はすべての人間関係において最も必要なことだと確信し、自らの目標にもなったという。ブラック職場の闇を描きながらも、その先にある人間としての尊厳や、正しい人間関係の構築を問いかける本作。現在進行形で理不尽な上司に悩まされている読者にとって、勇気を持って一歩を踏み出すための、この上なく心強いバイブルとなるはずだ。
取材協力・画像提供:ゆっぺ(@yuppe2)
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