まずは子どもの時間感覚を理解すること
大人になってから、「1年がたつのが早くなったな」と感じたことはありませんか?
多くの方が、時間感覚の違いを実感されているのではないかと思います。
フランスの哲学者ポール・ジャネによると、時間の感覚は年齢に反比例するそうです。
つまり、10歳の子が感じる1年の長さは、40歳の大人にとっての1年の長さの4倍に感じられるということです。
確かにそれくらいの感覚的な違いがありそうですね。
そう考えたとき、あなたには4年後に向けて今全力で頑張っていることは何があるでしょうか?
私にはありません!
4年後にこうなっていたら良いなという目標はありますが、そこに向けて今遊びたいのも我慢して仕事や勉強に専念したりはしていません。
普通にオフの日には妻とデートに行きますし、2人でゴロゴロしながら動画を見たりもしています。
4年どころか、1年後の目標に向けても、全力で頑張ることなど私にはできません。
例えば本の執筆にしても、〆切が数ヶ月先だとまだまだ余裕があるためのんびりしてしまっています。
残り数週間くらいになって、ようやく慌てだします。
〆切まで残り数日となると、ものすごい集中力を発揮します!
大人の自分ですらそんなものです。
ですから、子どもが1年後の受験に向けて全力で勉強しないなんて当たり前だと私は思っています。
あなたはどうでしょうか?
仕事で必要な資格を取るために勉強しなければいけないとなったら、いつから本気を出しますか?
仕事で大事なプロジェクトを任されたとしたら、どれくらい前から全力で頑張るでしょうか?
それを想像してみて、その数字を4分の1にしてみてください。
あなたがもし「私は半年前くらいから頑張りそう」と思ったら、「子どもは1月半前くらいからかな」と思っておくのが良いでしょう。
追い込まれて出す本気に期待してはいけない
ここまでお伝えしてきたように、子どもの時間感覚は私たち大人と圧倒的に違います。
「残り時間が少ない」と感じるのは12月くらいになってからという子が多いです。
お尻に火がついて本気を出すことを期待していたら、それくらい遅くなってしまうのです。
ですが考えてみたら当たり前のことです。
ウルトラマンがスペシウム光線を出すのはいつですか?
戦隊ヒーローが合体ロボットを出すのは?
物語の序盤から必殺技を繰り出すヒーローなどいないのです。
あなたのご家庭のヒーロー・ヒロインも同じです。
では、追い込まれて出す本気に期待しないのならば、どうすれば良いのでしょうか?
それはもちろん、楽しいから自ずとやってしまう環境を作るしかありません。
あらためて、この基本に立ち返りましょう。
これまで何度もお伝えしてきたことですが、中学受験は合格の席の奪い合いです。
他の子を追い抜かなければ、合格の席は獲れません。
他の子を追い抜くためには、人並み以上の努力が必要です。
そして、怒られながら嫌々やっていたら、人並み外れた努力などできません。
あなたのお子さんの成績を上げていくには、いかに勉強を楽しくするかを考えて試行錯誤していくしかないのです。
新年のこのタイミングで再度そのことを確認し、今年一年のお子さんとの関わり方を心に決めていただければと思います。
明るい気持ちで2026年を迎えられるように、これからの一年頑張ってくださいね。
あなたとお子さんが良い一年を過ごせることを願い、応援しています。
それでは。
※中学受験ナビの連載『親子のノリノリ試行錯誤で、子供は伸びる』の記事を、マイナビ子育て編集部が再編集のうえで掲載しています。元の記事はコチラ。
菊池洋匡中学受験専門塾 伸学会代表。開成中学・高校・慶應義塾大学法学部法律学科を卒業。算数オリンピック銀メダリスト。著書に『小学生の勉強は習慣が9割 自分から机に向かえる子になる科学的に正しいメソッド』(SBクリエイティブ)『「やる気」を科学的に分析してわかった 小学生の子が勉強にハマる方法』(秦一生氏との共著、実務教育出版)『「記憶」を科学的に分析してわかった 小学生の子の成績に最短で直結する勉強法』(実務教育出版)。伸学会HP:https://www.singakukai.com/→記事一覧へ
