
クラシック音楽をテーマとした二ノ宮知子原作のドラマ「のだめカンタービレ」は、今から19年前となる2006年10月にフジテレビ系で放送され、現在FODにて配信中である。上野樹里と玉木宏のダブル主演で、音楽大学生たちの恋物語と青春、激しめのコメディと本格的芸術要素がバランス良く詰め込まれた人気作。第8・9話では、“のだめ”こと野田恵(上野)がコンクールの最中に過去のトラウマを思い出し、ピアノに影響が出てしまう。 (以下、ネタバレが含まれます)
■コンクールへの意欲がなかったのだめが千秋と留学したいと一念発起する
第8話。のだめにかけられた催眠術によって飛行機恐怖症克服のきっかけをつかんだ千秋(玉木)は、龍太郎(瑛太)とともに飛行機で北海道に向かった。恐怖心と戦いながら何とか北海道に降り立つことができた千秋は、ぼんやりと空を見上げながら、海外留学が可能になったことを実感していた。
同じころ、のだめは、江藤(豊原功補)の家に寝泊りして、ピアノの特訓を受けていた。のだめは、マラドーナ・ピアノコンクールで優勝し、その賞金で千秋とともに留学するつもりでいたのだ。それを知った江藤は、まともなレッスンも受けていないのにいきなりコンクールで優勝できるはずがない、とのだめに告げる。しかし、のだめは、負けるためにコンクールに出場する人間はいない、と返す。
■無事に飛行機に乗れた千秋がのだめの本気を知る
大量のカニやウニを土産に北海道から戻ってきた千秋は、江藤の妻・かおり(白石美帆)から、のだめがマラドーナ・ピアノコンクールに出場することを教えられる。すると千秋は、かおりに土産を渡し、のだめに会わずにその場を後にする。のだめが本気でピアノをやる気になったのなら江藤に任せるのもいいのではないか、と思ったからだった。
■見たこともないのだめの鬼気迫る表情…
続く第9話。のだめは「マラドーナ・ピアノコンクール」に出場した。このコンクールで優勝して、千秋を追いかけてヨーロッパに留学する、というのがのだめの願いだった。一次予選を突破したのだめは、二次予選に挑む。しかし、幼いころ同じピアノ教室に通っていた瀬川(伊藤隆大)もこのコンクールに出場していたことを知ったのだめは、その当時起きたある出来事を思い出してしまい、1曲目のショパンの「エチュード」でまったく気持ちのこもっていない演奏をしてしまう。
二次予選を通過し、本選の出場権を得たのだめだが、過去に受けた厳しい指導と、弾きたいものを弾かせてもらえず、上を目指すことばかり強要されたトラウマで苦しんでいた。譜面通りの演奏以外はご法度のコンクールで、舞台に立ったのだめは勝手に曲を変更し、その場で作曲しアレンジして演奏をしてしまい、客席は騒然となる。その演奏シーンの気迫は、これまでのポワポワしてかわいらしい天然キャラののだめとは大きく異なり、1人の演奏家の人生の苦悩が表現された緊張感の漂う演奏だった。
本作はFODで全話ほかスペシャル版も見放題配信中。なお、FODは現在「ドラマは、あなたの味方だ。」キャンペーンを実施しており、年末年始に名作を一気見したい人を応援している。

