東京大学在学中に芸能活動をスタートし、俳優やキャスターとして多彩な活動をしてきた菊川怜さん。2019年に第一子を出産し、現在では二男一女の母として日々奮闘しています。「子育ては本当に大変。だからこそ、後で振り返ったらこの時期に自分は成長したと思えるはず」という菊川さんに、日々の子育てや仕事との両立について伺いました。

お話を伺った人:菊川怜さん
1978年、埼玉県生まれ。俳優、タレント。東京大学工学部建築学科卒。1998年、大学在学中にモデルとしてデビュー。数多くのドラマ、映画、CMに出演し、東京大学出身という経歴を生かして情報番組やクイズ番組などでも活躍。2019年に長男、2020年に次男、2021年に長女を出産。出産後は子育てを優先して芸能活動をセーブしていたが、2024年に約8年ぶりにドラマ出演を果たし、2025年10月には映画『種まく旅人 醪のささやき』で主演を務めた。初めての出産後「子育てってこんなに大変なんだ」と驚いた
――2019年に第一子を出産された菊川さん。初めてのご出産はどのような経験でしたか?
最初の出産は本当に大変でした。早剥(常位胎盤早期剥離)になって、大量に出血してしまって。出産当時は産むことに必死で状況を把握できていなかったのですが、後から担当医に聞いて「そんなに大変なことになっていたのか」と知りました。出産というのは何が起こるかわからないし、母子ともに健康でいられるのは本当に奇跡のようなことだと実感しました。
――わが子と対面した瞬間はいかがでしたか。
出産直後に胸のあたりに赤ちゃんをのせてくれる、あの瞬間がありますよね。
――カンガルーケアですね。
そう、それです。赤ちゃんがぺたーっと触れたとき、あたたかくて、とても感動しました。無事に産めたという安心感もあり、いろいろな気持ちが湧いてきましたね。一人目はもちろん、二人目も三人目も同じくらい感動しました。
――退院されてからの日々はいかがでしたか。
「子育てってこんなに大変なんだ」とびっくりしました(笑)。子育ては、誰も事前にやり方を教えてくれないんですよね。母親になるための学校があるわけでもなく、産んだら急に母親になる。わからないことだらけで右往左往するなか、24時間赤ちゃんの命を守るという重圧がのしかかってきて、寝かせるときに周りにタオルすら置いてはいけないとか、マットレスは硬いほうがいいらしいとか、いろいろ気をつかっていました。
それに、一人目は寝かしつけにも苦労しました。やっと寝かせてもベッドに置いたら起きてしまう。その繰り返しで、はじめのうちは1時間も寝てくれなくて、寝不足でぎっくり腰になったことも。でも、「ねんトレ(ねんねトレーニング)」について学び、生活リズムを整え、ベッドに置いたら自分で寝る「セルフねんね」の方法を実践したら、本当に楽になりました。

――「母になった」と実感した瞬間はありますか?
いやあ、特にないですね(笑)。日々の子育てで、なんとかしなきゃいけない状況に直面しては、工夫して乗り越えて…その積み重ねのなかで、気づいたら母になっていたという感覚です。子どもたちが私を母にしてくれたのだと感じています。
――子育てをしていく中で、思い通りにいかなくてつらい瞬間などはありますか。
毎日ありますよ。朝、家を出ること一つとってもうまくいかず、「早く早く」と急かしても全然動いてくれなくて…「もう、なんで!?」と毎日思っています(笑)。少しでもスムーズに進むように、どうしたら時短できるか、日々試行錯誤しています。
