仕事への復帰は「案ずるより産むが易し」だった
――今(2025年11月現在)、お子さんの年齢は長男くんが6歳、次男くんが4歳、長女ちゃんが3歳ですよね。
はい、まだ小さいので、ぐずることもよくあります。でも、少しずつ、自分でできることを増やしてほしくて、お風呂でも長男はまず自分で洗って、私は仕上げだけするようにしています。体を自分で拭く練習など、できる範囲で一つずつ。
そして、お手伝いをしてくれたら「ママすごい助かった!ありがとう!」とうれしい気持ちをしっかり伝えます。そうしたら、意外とごきげんでやってくれることもあるんです。
――上の子が下の子の面倒を見ることもありますか?
ありますね。これは本当に助かるので、けっこうお願いしてます。「歯磨くよって伝えて」「靴下履くように言って」「ご飯食べるの手伝ってあげて」「朝ごはんの後余裕があったら下のゴミ片付けて」「テーブル拭いて」などいろいろ頼んでいます。
――かなりたくさんやってくれるんですね(笑)。すごいです。
そうですね。家族というチームの一員なんだ、という自覚を持ってもらえるよう声をかけています。

――産後、お仕事に復帰された際はいかがでしたか?
正直に言うと、始める前はかなり不安でした。3人の子どもで手一杯なのに、仕事との両立なんて無理じゃないかと、やる前からいろいろ想像してしまっていて。でも、実際やってみると案外なんとかなるものだな、というのが今の実感ですね。
できた経験が増えていくと、「次も大丈夫かも」「こんな仕事もできるかも」と思えるんですよね。まさに「案ずるより産むが易し」だな、と。
自分がレベルアップしていくと、以前は無理だと思っていたことが余裕でできるようになる。少しハードなことに挑戦してはまたレベルアップして…その繰り返しです。先のことを心配しすぎると、精神的な負担が大きいので、とりあえず目先のことだけ考えるようにしています。
――「急に子どもが病気になるかも」といった可能性を考えていると、仕事も受けづらいですよね。
本当にそうなんです。実際に、熱が出て登園できなくなるなど、突発的なことがいろいろ起きますしね。でも、起こってもいないことを心配していると、何もできません。何か起きたら起きたで、きっと打つ手はあるはず。どうしても無理なら、例えばスケジュールの変更調整やオンライン対応が可能かどうかお願いしてみるなど。迷惑はもちろんかけたくないですけど、最悪の場合にはそういった選択肢も取らざるを得ないかと。
まったく性格が違う3人の子。それぞれの良さを伸ばしたい

――子育てのなかで、ご自分が変わったと感じる部分はありますか?
物事を後回しにしないようになりました。出産前は自分のために時間を使えばよかったけど、子どもが生まれたらそうはいかないから。だからとにかく、眼の前にあることをやる。テトリスでいえば、1段ずつでもいいから消していく。そうじゃないと、上からどんどんブロックが降ってきて、ゲームオーバーになっちゃう。そういう緊張感の中で暮らしています。
――自分ではない人間のことを、3人分考えないといけないわけですもんね。
そう、3人のタレントを抱えるマネージャーになった気分です(笑)。しかも送り迎えや同行など現場仕事もやるんだ、みたいな。マルチタスクの訓練をしている感じですね。
でもこの忙しい日々を乗り越えていくことで、処理能力が上がってきたような気もします。慣れてくれば、もっと余裕のあるお母さんになれるかな。
――3人のお子さんがいると、上の子の経験がそのまま下の子にも活きる、ということはありますか?
うーん、それが意外とないんです。3人ともまったく性格が違うので。長男は場所見知りが激しく慎重なタイプで、新しい場所に連れて行くのに苦労しました。でも、長女はどこでも平気でぐいぐい行くタイプ。次男はおっとりしてて、ふざけるのが好き。だから、長男と同じ言い方じゃ伝わらなかったりする。子どもによるんだな、と感じています。
こんなに人と向き合ったことは今までなかったので、「人間とは?」みたいなことを考えたりします(笑)。
――壮大な問いですね…!(笑)
話す内容もそれぞれ違っていておもしろいんです。素直でストレートな物言いをする子もいれば、ワンクッション挟んだ言い方をしてくる子もいる。感受性や考え方もそれぞれ違うから、その子なりのいいところを見つけて伸ばしてあげたいと思っています。
つい親って、なんでもやってあげたくなっちゃうじゃないですか。
――時間がないときは、スムーズに進めたい気持ちもありますしね。
そうなんです。でも、なるべく自分で考えたり工夫したりして身につけないと、本当の意味では身につかないと思うんです。幼い頃からできる範囲で小さな挑戦を積み重ねておけば、大人になった時に楽になるんじゃないかと。
宿題も、親に「やりなさい」と言われてやるだけだと、将来的にはやらない子になってしまうかもしれない。もちろん時間との戦いもありますが、なるべく自主的にやるように促したいですね。
