
ベランダや庭、公道にまで積み上げられたゴミ――近隣で「ゴミ屋敷」と呼ばれる家の前にたたずむ少年がいた。彼はゲームやアニメよりも家が好きで、気になったお宅を訪問し「お家、見せてもらっていいですか?」と交渉する。おばあちゃんに中に入れてもらうと、家の中もモノに溢れていてーー!?家を通して見えてくる人間模様を描いた漫画家・佐久間薫(@sasakumako)さんの「お家、見せてもらっていいですか?」は、発売以降「素敵な話」「家の間取りも楽しい」と重版となり、Xでも3.6万いいねと話題を集めている。
■家と住人の物語を掘り起こす、不思議な取材力を持つ道生くん



小学3年生の家村道生は、ゲームやアニメよりも家が好きだった。将来一軒家に住むことを夢見て、日々家を研究している。ある日、家具や家電が庭や公道にまで散乱する“ゴミ屋敷”に住むおばあちゃんを訪ねる。道生が「お家、見せてもらっていいですか?」とお願いするが、「子供はうるさくて大嫌いだよ!」と追い返されてしまう。それでも興味津々な道生の姿に、おばあちゃんは特別に中を見せてくれた。家の中もモノで埋め尽くされていたが、「ものがあると安心する」とおばあちゃんは語る。外から見ればただのゴミでも、本人にとっては大切なものだった。
家が好きすぎて突然お宅を訪問するという、愛されキャラの道生くんについて作者の佐久間薫さんは「もじもじしていると話が進まないので、好きなことにはずんずん進んでいくキャラにしました。あとは私のあこがれも入っているかも…。何かに夢中になっている人は魅力的なので」と話してくれた。作中に登場する家は、実際に散歩の途中で気になった建物をベースにしているという。「『こういう家主が住んでいるとしたらどんな家だろう…』と、ひたすら想像してひねり出しました。実際に取材させてもらって作ったお話もあります」と教えてくれた。最後に読者に向けて「この作品は家の造形と人間ドラマを楽しめる内容になっています。多くの方に読んでいただきたいです」とメッセージをくれた。
家への純粋な好奇心と人との出会いが詰まった佐久間薫さんの「お家、見せてもらっていいですか?」。ぜひ読んでみてほしい。
取材協力:佐久間薫(@sasakumako)
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