
「ぎゃあああああ」「でたぁああああ」と絶叫する社畜と、そんな社畜に何かを訴えている落武者。しかし味塩こしょうをまかれてしまい、落武者は消え去ったのだった。しかし翌日、また落武者が現れて…!
この一見ホラーな展開に、読者は「とてもすてきなお話!ちょっと泣いちゃいました」「なんてすばらしい話だ…涙が出ました」と絶賛!なかには「ラストでぼろっと涙が落ちた」「しばらく、泣くわ」と泣かされた読者まで出るほどだ。

本作『しおむすび』を描いたのはコメヒコ(@okome_tuiteru)さんである。本作は「モーニング&イブニング月例賞2023年1月期」で奨励賞を受賞した作品だ。コメヒコさんはその後『少年よ、その鈴を鳴らせ。』という作品で「モーニング月例賞」(講談社)の2024年10月期で期待賞も受賞。コメヒコさんに今回紹介する『しおむすび』について詳しく話を聞いてみた。
――「社畜が落武者に取り憑かれる」という構想を考えたきっかけなど教えてください。
私がメンタル弱弱なので、優しい妖怪などに助けてもらいたいという願い+ごはんが好きなのでそのモチーフで何かつくりたいというアイデアから、最初は「主人公のマイナス思考を武士(亡霊)が斬ってくれて、そのお礼におにぎりを供える」という設定を作りました。そこからだんだんと今の設定にしていきました。

――本作のなかで「細かいところだけどここを見てほしい」といった点はありますか?
読者の方にはさらっと流して読んでいただくのが理想なので、「ここを見て!」はないのですが、主人公の部屋の玄関や散らかった部屋のごちゃごちゃした背景は楽しく描けたとこなので、置いてる小物などちらっと見ていただけたらうれしいです。

本作は、かつては屈強であっただろう武士の亡霊と現代を強く生きる社畜社会人の友情物語である。本作には「塩むすび。食べたくなりました」「こんな落武者殿がいてくれたらなぁ」のコメントが絶えなかった。温かいおむすびを片手に読んでほしい作品だ。
取材協力:コメヒコ(@okome_tuiteru)
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