余分な収納スペースがあると「ゴミ箱」に

――これまでのお話を聞いていると、いろいろ試してたどり着いた勝間さんの言葉はとても説得力がありますね。『勝間家電』ではこうした掃除家電をはじめ、さまざまなガジェットやサービスで“効率”や“生産性を高める”“ムダをなくす”を追求しています。特に「使っていないものは資産ではなく負債」という考え方が印象的でした。
勝間 この考えに至るには大きなきっかけがありまして。2015年にAppleWatchを買ったんです。そうしたら、毎日5000歩しか歩いていないことに気がついて。8000歩が健康促進の目安だというのに、なぜこんなに歩いていないんだろうと考えると、家の中に歩くスペースがなかったんです。家の中の物が多くて。それで、「片付けようかな」というところから始まり、まずは自分が覚えていないものを全部捨てることにしたんです。「覚えていない=存在していない」ことと同じじゃないですか。
――たしかにそうですね。
勝間 逆に、覚えているためには自分のコストを使わなければなりませんが、使わないのに自分のコストを使うなんて割に合わないですよね。戸棚を開けた瞬間に「なんだっけこれ……?」を止めたいんですよ。
――そうした物を捨てる作業をどれくらいかけてやりましたか?
勝間 2~3ヶ月ですね。その後は習慣化してこまめに捨てています。使わないコートや靴はだいぶ捨てました。そうやってキレイにしたら、生活が一変したんです。それに、昨年引っ越しして部屋の広さがそれまでの半分ほどになって。それで収納スペースがなくなったんですが、収納スペースってないに越したことはないんですよ。あると全部ゴミ箱になるんです。
――たしかに、「これはいつか使うからとっておく」などで詰め込んでしまいます……。
勝間 入れたら記憶からなくなっちゃうし。だから収納扉は開けっぱなしにするか、数日に1回チェックするようにしてください。そして1年、つまり春夏秋冬使わなかったものは捨てたほうがいいです。
生活のムダを省けば「頭の良い子が育つ」環境が作れるかも

――思い出の品はどうしていますか?
勝間 自宅に置いても役に立たないけど捨てられないもの、子どものグッズや昔の著書はトランクルームを利用しています。そんな工夫はしていますが、この間、筋トレしたいと思って筋トレグッズを2つ買おうとしたら、娘から「お母さんそれ両方買って両方捨ててるよ」と言われまして(笑)。
――そんなこともあるんですね(笑)。
勝間 それで買ったことのないものを買うことにしました(笑)。
――捨てて後悔したものはありますか?
勝間 ポテトマッシャーくらいですね。使おうと思って「あ! 捨てたんだ!」となりましたが、1000円で売ってたんですよ。それくらいの値段で取り戻せるのならば安いものです。

――最後に、ムダを省くことは生活にどんないい影響がありますか?
勝間 よく寝られます。そして、動ける。ぼーっとする時間も作れます。ぼーっとするときはスマホも見ちゃダメですよ。
ぼーっとすると何がいいのかというと、“今のこと”じゃなくて“先のこと”を考えられること。「これをどうしよう。これをやっといたほうがいいんじゃないか」など、頭の中が未来に向かうんです。後ろを向くと不安や後悔を思い出すけど、前には希望だったり旅行の計画だったり、楽しいことが多いんですよね。
――時間を有効に使えるんですね。
勝間 子育て世代なら子どもと関わる時間が増えて、よりよい家庭になる流れが作れるかもしれません。生活がムダだらけだと子どもと遊ばなくなります。よく「子どもの頭を良くするにはどうすればいいのか?」という課題があるじゃないですか。私は、親子で一緒にゲームをするのが最適だと思っているんです。ボードゲームでもトランプでもテレビゲームでも、『桃太郎電鉄』でもいい。物事を総合的に考えて、ルールを把握しながら勝ち負けを競うことをやると、頭が活性化するように思います。家事から解放されて、そういったことに時間を使えるようになるといいですよね。
(取材・文:有山千春 撮影:佐藤登志雄/マイナビ子育て編集部)
勝間和代1968年東京都生まれ。経済評論家。早稲田大学ファイナンスMBA。慶應義塾大学在学中から監査法人に勤め、アーサー・アンダーセン、マッキンゼー、JPモルガンを経て独立。3女の母。経済・教育・キャリア形成に関する発信に加え、合理的な暮らし方を追求するライフスタイル提案でも支持を集める。特に家電の選定・活用に精通し、自身の生活においても複数の家電を組み合わせ、時間と手間を最小限にする工夫を実践し続けている。著書多数。YouTubeやSNSでも積極的に発信中。→記事一覧へ